研究課題
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本研究は、憲法25条の生存権の「自由権的側面」に着目して、その違憲審査の手法を確立し、縮小化社会における生存権保障と租税負担配分の適切なあり方を問うものである。そのための素材として、税法・社会法上の最低生活について注目すべき判決を下してきたドイツの判例・学説を扱う。その際、連邦憲法裁判所だけでなく専門裁判所の判例も対象とすることで、具体的な視点を取り込む。これにより、最低生活にかかる問題の類型化がなされ、それに対応した審査枠組みや審査の厳格度を探究することが可能となる。さらに、「法秩序の憲法化」という視点を取り込むことで、憲法上の最低生活基準を解明し、最低生活の動態性と普遍性を明らかにする。
本研究の目的は、生存権の「自由権的側面」が持つ意義を解明したうえで、その合憲性審査の在り方を解明することにある。研究計画遂行により、①ドイツ連邦憲法裁判所の近年の税法・社会法判例と従来の判例との異同を明らかにしたうえで、学説を手掛かりとして、立法手続に着目した統制手法の導入可能性を示唆し、②日本における生活保護引き下げ訴訟に着目して、日本の裁判実務における生存権保障のあり方を明らかにし、それらを踏まえたうえで③最低生活にかかる事案について、生存権の自由権的側面の視点から、審査枠組みや審査の厳格度に対応した類型化を行った。
生存権の自由権的側面から、審査枠組みや審査の厳格度に対応した生存権訴訟の整理・類型化を行ったことにより、従来は立法者の広範な裁量を理由として裁判所による実効的救済がなされなかった税・社会保障法領域における諸問題について、憲法25条の観点から審査の厳格度を高められる可能性を示唆することができた。
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https://shu-lab.shudo-u.ac.jp/shuhp/KgApp?kyoinId=ymmggmgeggy