研究課題/領域番号 |
20K22055
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
音無 知展 京都大学, 法学研究科, 准教授 (60882016)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 情報プライバシー権 / 抽象的権利 / 法定主義 / DNA型 / 適正取扱い担保措置を求める権利 / 法律の留保 / 立法作用と司法救済 / プライバシー権 / 適正な自己情報の取扱いを受ける権利 / 抽象的権利の司法救済 / 抽象的権利の救済 / 個人情報保護 |
研究開始時の研究の概要 |
憲法上の情報プライバシー権は個人情報保護を担っている。そして,同権利は法律によって具体化されなければ,裁判上直接行使できない部分を含むと考えられている。しかし,だとすれば,国会が法律を制定しない,又は不十分な法律しか制定しない場合,同権利が侵害されているにもかかわらず,個人は国会が適切な立法を行うのを待つしかないのか。本研究は,これらの場合に,裁判所が暫定的に同権利を具体化し,立法を待たずして個人の権利侵害を是正する可能性を探求するものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、個人情報の保護を担っている憲法上の情報プライバシー権のうち、立法による具体化が原則として必要とされている抽象的権利の部分を裁判所が具体化することによって救済できるかどうかを最終的に明らかにすることを目標に段階的に考察を進めた。まず、同権利の抽象的権利とされる部分は、手続的権利に限定されない、適正な個人情報の取扱いを担保するための措置を求める権利と捉えるべきことを、判例の検討を通じて明らかにした。 次に、情報プライバシー権における司法権と立法権の相互作用を解明するために、同権利についてどのように法律制定が要請されるかを詳しく示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、情報プライバシー権について、従来の通説である自己情報コントロール権説から、判例とより整合的な適正な自己情報の取扱いを受ける権利説への転換を、より具体的に推し進め、それに伴って想定される課題を解決するものであり、学術的意義を有する。また、いかなる場合に法律制定が必要とされるかは、とりわけDNA型鑑定およびDNA型データベースに特別な法律の根拠が要るかという問題に関わり、特別な法律の根拠が存在しない現状においては、学術的意義のみならず社会的意義が大きい。
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