研究課題/領域番号 |
20K22058
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
磯村 晃 大阪大学, 大学院法学研究科, 招へい研究員 (30870878)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 議院内閣制 / 政府と議会の権限関係 / 執行権概念 / 会派の法的地位 / 会派による政府統制 / 権力分立 / 議会反対派 |
研究開始時の研究の概要 |
議院内閣制の枠組みにおいて、内閣と国会の対立は通常、伝統的権力分立論に典型的な「政府対議会」としてではなく、「政府・与党対野党」として生じる。本研究では後者の対立に着目することで、野党とりわけ議会反対派による会派レベルでの執行権統制の可能性を探求する。その際、主としてドイツの権力分立論を参考にして研究を進める。というのも、近年のドイツでは、伝統的権力分立論に代わる支配的学説が相次いで登場し、従来の政府と議会の権限関係も根本的に捉え直されたからである。本研究は、かかる権力分立論の新展開を受けて、政府と議会反対派との関係がどのように変容しているのかを比較法的に明らかにしようとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、議院内閣制における法主体の一つと考えられる会派に焦点を当て、これを憲法的に把握することはできるのか、またできるとすればどのような法的性格を有する法主体なのかを比較法的に研究した。その際、日本と同様に議院内閣制が採用され、会派に関する多くの研究成果が蓄積されてきたドイツにおける会派の法的地位をめぐる議論を参考にした。 本研究の結果、現在のドイツ憲法学では、会派の法的地位についての画期的な学説(スヴェン・ヘルシャイト学説)が幅広く支持されており、この学説に依拠すれば、会派を憲法に基づいて、(議会の下位機関たる委員会とは区別される)議会の分岐体として把握できることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果の学術的意義は、会派の法的地位を論証する場合に、①会派が憲法上どのように根拠づけられるのかを問題にする議論(憲法的基礎づけ論)、②会派がどのような法的性格を有するのかを問題にする議論(法的性質の確定論)の順にそれを説き起こし得ることを比較法的に明らかにした点にある。 本研究の成果の社会的意義は、国会の中で会派が議事運営・諸活動の基本単位になっており(いわゆる「会派議会」)、会派を抜きにして国会の運営を考えることはできないと言われているわが国の国会実務の現状において、そのような会派を日本国憲法に基づいて把握するための解釈理論を明らかにした点にある。
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