研究課題/領域番号 |
20K22059
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 (2022-2023) 大阪大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
西村 友海 九州大学, 法学研究院, 准教授 (80884767)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 法的思考 / 人工知能 / 法的推論 / 法哲学 / 人工知能と法 / 法解釈 / 法的議論の理論 / 論理学・数学の哲学 / 数理議論学 / 説明可能性 / 数理議論額 / 議論 / 論理学 / 法律学方法論 / 法的議論 |
研究開始時の研究の概要 |
技術革新を背景として、いくつかの文献において「裁判官は機械に代替されるべきだ」という見解の当否が論じられている。この議論にとって重要な点の一つは、法的判断が法規範によって予め定められた一定の結論を導くような活動なのか否かという問題(法的判断の客観性)である。というのも、法的判断が予め定められた帰結を導出するような営みであるならば、その判断が機械によってなされていたとしても問題はないはずだからだ。 本研究では、従来人間による判断のみが念頭に置かれていた「法的判断の客観性」という論点を、機械による判断をも考慮に入れる形で拡張すること、そして上記のような現代的な問題に対して回答を与えることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、特に「論証」という営みに着目し、法的判断の性質についての哲学的な分析を行うこと、またそれに基づいて人工知能の裁判への応用という実践的な問題に対して一定の示唆を得ることを目的としていた。人工知能関連技術については技術革新の速度が極めて速いということもあり、検討の必要な論点が研究期間中に変化していたことは研究遂行上の課題であったが、少なくとも昨今のAI倫理に関する議論で注目される「説明性 explanability」という概念と「論証」との間に一定の関係性があること、また「説明性」と自動化の当否に関する問題との間に一定の関係性があることを示すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「機械による裁判官の代替可能性」という極めて狭い人工知能関連技術の応用場面に注目した研究だが、昨今のAI倫理に関する議論において一定の重要な地位を占める「説明性 explanability」という概念について、一定の示唆を得ることができた。この成果は、現代のAI倫理に関する実践的な問題に対して、法哲学における法的判断に関する古典的な議論が示唆を持つことを示しており、今後のAI倫理に関する議論への貢献が期待される。
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