研究課題/領域番号 |
20K22065
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
大下 隼 早稲田大学, 法学学術院, 助教 (50880663)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 国際法 / 軍縮・不拡散 / 大量破壊兵器関連条約 / 安保理決議1540 / 輸出管理 / リスク管理 / リスク・コミュニケーション / 先端科学技術と法 / リスクコミュニケーション / 外為法 / 大量破壊兵器の不拡散 / 国連安全保障理事会 / 国際原子力機関 / 化学兵器禁止機関 / 国際安全保障 |
研究開始時の研究の概要 |
核兵器、化学兵器、生物兵器の新たな保有者の登場を防ぎ、平和を維持するためには、これら兵器の開発に利用可能な物品・技術を野放図に流通させないための輸出管理が必要となる。輸出管理は安全保障に資する一方で、経済の阻害要因となるというジレンマがあり、技術の発展などの社会の急速な変化によってジレンマも複雑化していく。そこで、輸出管理義務を課している国際法規範の現実の実施を実証的に分析することで、規範の学問であるところの法律学の観点から、上記ジレンマと社会の急速な変化への対応という現代社会に特有の一般的課題にどのように向き合うべきかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
大量破壊兵器開発に利用可能な物資には通常民生用途で用いられる汎用品が含まれているため、通常の貿易過程を隠れ蓑に当該物資獲得を目論む国やテロリストへの対策として、条約・安保理決議で輸出管理義務が設定された。この義務の特徴は、技術の発展状況や安全保障環境の変化に応じた動態的実施と、輸出管理で得られる安全保障上の利益と失われる経済効率性のバランス確保にある。本研究では、(1)国内実施過程の実態、(3)国際実施過程の実態、(3)輸出管理の国際法理論への含意を検討した。これらを通じ、国際法規範の「適用」という理論的課題と、リスク・コミュニケーションを含む先端科学技術と法に係る制度的課題を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
輸出管理は、軍縮不拡散法分野において不可欠の要素であるものの、輸出管理を厳しくすればするほど大量破壊兵器拡散という安全保障リスクを低減できる一方、貿易等の経済効率性が損なわれるというジレンマが常に存在してきた。それゆえ、その時々の社会状況に合わせて安全保障と経済の均衡点を定めるという実践を、国際社会は今後も長期的に行っていく必要があるところ、本研究を通じて上記ジレンマに向き合うにあたっての法的枠組みと理論的課題を提示できた。このジレンマを乗り越えてこそ、大量破壊兵器、とくに核兵器のない世界を実現する道筋を考えていくことができる点で、本研究は国際社会の平和と安全の維持に貢献するものである。
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