研究課題/領域番号 |
20K22067
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
谷岡 拓樹 早稲田大学, 法学学術院, 助手 (60878825)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 刑法 / 共犯 / 共同正犯 / 承継的共同正犯 / 特殊詐欺 / 承継的共犯 |
研究開始時の研究の概要 |
特殊詐欺は組織的に行われることが多く、そのため、現在刑事裁判においては、特殊詐欺組織の構成員の共犯としての罪責が、しばしば問題とされている。特殊詐欺は、組織によって職業的に行われる点に特徴があり、それにより、これまで想定されてこなかったような問題が、次々にあらわれている。 本研究は、そのような特殊詐欺事犯に含まれる共犯論上の諸問題を適切に解決するための理論的基礎と具体的な判断基準を明らかにすることを目的とするものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、共犯の処罰根拠論の通説的見解である因果的共犯論を再構成することにより、特殊詐欺に関する共犯論上の諸問題を解決するための理論的基盤を構築した。また、本研究は、具体的な問題の解決として、従来の因果的共犯論では説明が困難であった承継的共同正犯の問題や、包括的共謀の問題について、一定の解決指針を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、共同正犯の成立を基礎づける「共謀」の理解について、従来の理解とは異なる新たな理解を示した。本研究で示した理解は、従来の理解よりも、共同正犯と狭義の共犯(教唆犯及び幇助犯)の違いをよりよく説明することができ、それにより、両者の区別をより容易なものとすることができる。また、そのような理解は、特殊詐欺事件等において生じる共犯論上の諸問題に対しても、一定の解決指針を提供することができる。そのため、本研究で得られた成果は、実践的な意義も有する。
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