研究課題/領域番号 |
20K22069
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 同志社女子大学 (2021-2022) 同志社大学 (2020) |
研究代表者 |
竹治 ふみ香 同志社女子大学, 現代社会学部, 助教 (10876212)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 遺留分 / 相続 / ドイツ / 決定の自由 / 放棄 / 相続法 / 財産承継 / ドイツ法 / 家族法 / 遺留分の事前放棄 / 遺留分放棄契約 |
研究開始時の研究の概要 |
日本法では、遺留分権利者たる相続人に「遺留分」として最低限確保されるべき相続財産の持ち分が認められている。日本法には、この遺留分を相続開始前に放棄する「遺留分の事前放棄制度」がある。もっとも、この制度については、共同相続人間の公平を図った現代相続法の精神に反するといった制度上・運用上の批判もあり、今後のあるべき姿を検討する必要がある。ドイツ法においては、遺留分の事前放棄制度として「遺留分放棄契約」が認められている。この制度は長い歴史を有する一方で、近時、放棄の自由を確保するための立法に関する議論が展開されていることから、ドイツ法を比較対象として研究する。
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研究成果の概要 |
ドイツにおいて、近年では、放棄者が放棄契約を締結することを自律的に判断できない場合があることを問題視し、放棄契約の裁判所による内容規制を主張する見解が現れてきた。 ドイツ法の議論状況を踏まえると、放棄契約については、代償の経済的価値の不足が直ちに反良俗性の決定的な要素となるものではない点が強調されている。この議論は、終局的には、私的自治の保障のため、真に決定の自由を確保するとはどのような意味なのか、その検討に行きつく。これが侵害されているといえるのはどのような場合であるか、一律の基準を見出すことは難しいが、ドイツにおける裁判例が示した考慮要素が参考になる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
平成30年の相続法改正により遺留分減殺請求権は金銭債権化されたことに伴い、遺留分を相続開始前に放棄するという手段への関心も高まりうる。わが国において遺留分の事前放棄をするには家庭裁判所の許可が必要とされるが、その許可基準が問題となる。ドイツ法の議論状況を踏まえると、放棄契約については、代償の経済的価値の不足が直ちに反良俗性の決定的な要素となるものではない点が強調されている。この議論は、終局的には、私的自治の保障のため、真に決定の自由を確保するとはどのような意味なのか、その検討に行きつくものであり、この点に関わるドイツの裁判例等は、示唆を与え得るものである。
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