研究課題/領域番号 |
20K22075
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0106:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
松尾 隆佑 宮崎大学, キャリアマネジメント推進機構, 講師 (20873326)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 政治理論 / 資本主義 / 企業権力 / コーポレート・ガバナンス / 経済デモクラシー / 職場デモクラシー / 財産所有デモクラシー / ステークホルダー・デモクラシー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ますます強大化している企業の権力に民主的正統性を備えさせる方策を示すべく、市民が企業権力を統御するために利用可能な諸手段を明らかにしようとする。すなわち、企業の意思決定から影響を受ける組織内外のステークホルダー(利害関係主体)が当の決定過程に影響力を行使しうる制度的条件を、規範的なデモクラシー理論の知見、とりわけ共和主義的な職場デモクラシー論とジョン・ロールズ以降の財産所有デモクラシー論に基づきつつ検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、企業権力が正統化されうる条件を明らかにするため、規範的政治理論における職場デモクラシー論や財産所有デモクラシー論を検討した。その成果として、第一に、株主と労働者に限られない多様なステークホルダーの参加と熟議に基づく民主的企業統治の構想を擁護することができた。第二に、富と権力の拡散を通じてステークホルダーによる企業のコントロールを容易にする政治経済体制として財産所有デモクラシーを再解釈することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで希少であった企業の政治学的研究として先端的な成果を示しており、「企業の政治理論」という新たな研究テーマの確立を促しうる。また、経済格差の拡大をもたらしてきたビジネス主体の権力に注目する経済学の議論や、ガバナンスに参与する企業の公共的な性格を強調する経営学の議論などを、政治学と接続する役割も果たしている。グローバル資本主義の下で一部の企業が国家に比肩する影響力を持つようになった現代において、本研究が示した民主的企業統治の構想は、社会内の公論にも資するはずである。
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