研究課題/領域番号 |
20K22080
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0106:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 立命館大学 (2021-2023) 南山大学 (2020) |
研究代表者 |
中沢 知史 立命館大学, 言語教育センター, 嘱託講師 (20882541)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ラテンアメリカ / ウルグアイ / 先住民 / 脱植民地化 / セトラー・コロニアリズム / 歴史的記憶の回復 / チャルーア / 国家アイデンティティ / 植民地主義 / ジェノサイド / 可視化 / 白色国民国家 / 先住民運動 / 歴史的記憶 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、南米南部のウルグアイに焦点を当て、独立期の先住民虐殺を通じて「インディオのいない国」として構築された同国において近年可視化され始めた先住民運動を取り上げる。具体的には、チャルーア民族評議会(CONACHA)を事例として、文献調査と現地での調査を行う。歴史的記憶の回復を求めるCONACHAの活動を記述することを通じて、ウルグアイにおいて不可視化されてきた先住民の存在が立ち現れ、国民国家アイデンティティの根本的問い直しが起きていることを示す。
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研究実績の概要 |
2023年度は、本研究計画のコアでありながら、これまでのコロナ禍で複数次にわたり延期を余儀なくされていた現地調査を実施することができた。 まず、2023年8月にウルグアイを訪問し、政府機関のアーカイブで先住民の遺骨返還にかかわる一次史料を収集することができた。また、国公私立図書館・博物館等で新聞のバックナンバーや展示資料などを複写・撮影することができた。さらに、渡航延期期間中に現地で刊行された資料を収集し、最新の動向をフォローすることが可能となった。アーカイブ、図書館、博物館等所蔵の史資料は現地でなければアクセスできないものであり、研究者としては代表者が初めて閲覧することを得たものも含まれている。 次に、2024年3月にウルグアイを再訪し、既述の作業を進めるとともに、主要インフォーマントに対面での長時間インタビューを実施することができた。インタビューは、2023年8月の渡航時に依頼し事前調整を行っていたものであるが、インターネットを介して話を聞くことが極めて困難な環境に居住するインフォーマントとひざ詰めで会合できたことは、本研究計画を大いに前進させるものである。 なお、上記の二度の現地渡航において、ウルグアイのみならず、ウルグアイ川対岸のアルゼンチン・エントレリオス州を訪問し、同地における先住民運動についても調査する予定であったが、同州の治安が急激に悪化し、商店や公共交通機関が営業停止に至ったことから、調査を中止せざるを得なかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究計画は、これまでのコロナ禍で複数次にわたり延期を余儀なくされていたが、2023年度に二度の現地調査を敢行できたことで、積み重なっていたペンディング調査事項を進めることができたため、おおむね順調に進展していると自己評価す る。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、研究の最終年度にあたり、成果を発表する段階に入る。まず、所属する日本ラテンアメリカ学会大会のパネルにおいて、成果の一部を発表する。また、2023年度に二度実施した現地調査、特にインフォーセントとのインタビューの過程で、南米現地での研究成果を発表するよう招請を受け、2024年8月上旬に実施する予定である。さらに、本研究計画の重要な理論的フレームであるセトラー・コロニアリズムについてまとめ、査読付学術誌へ投稿する。加えて、2024年度中に追加の現地調査を実施する予定である。 研究終了後、本研究計画成果の一部は、現在進行中の大学生向けアクティブラーニング教科書の一部として採録される予定である。
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