研究課題/領域番号 |
20K22097
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 麗澤大学 |
研究代表者 |
内藤 知加恵 麗澤大学, 国際学部, 准教授 (70881192)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | フォールトライン / ダイバーシティ / 分断 / 働き方の多様性 / 多様な働き方 / 柔軟な働き方 / 多様性 / ダイバーシティ・マネジメント |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、働き方の多様化に伴って職場内に「分断」(サブグループ化)が生じるメカニズムを解明する。既存研究にあるような人口統計学的な要因だけでなく、短時間勤務や在宅勤務など働き方の差異がトリガーとなって職場内の分断が生じると仮定し、「知覚」を含めた精緻な分断発生プロセスを明らかにする。また、分断の程度を示す客観的数値(フォールトラインの値)を用いたシミュレーション・モデルを使って、働き方の差異がトリガーとなって分断(サブグループ化)が生じるプロセスを示す。また、シミュレーションという従来とは異なる分析手法の導入により、多様性が分断に繋がる閾値を特定できると期待される。
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研究成果の概要 |
本研究は、多様性研究における「フォールトライン」という概念を適用することで、働き方の違いにより職場内に「分断」(サブグループ化)が生じること、また、分断のきっかけ(トリガー)となるイベントがあることを示した。まず、文献調査、ヒアリング調査から、性別・年齢などの人口統計学的属性ではなく、短時間勤務などの「働き方の違い」という属性によっても分断が起こりうることが示された。次に、働き方の違う者同士の相互関係の中で、「トリガー」となる出来事をきっかけに、職場内に分断が生じることが示された。具体的には、育児のための短時間勤務利用経験者への調査から、トリガーにはいくつかのパターンがあることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は「働き方」を属性の一つととらえる点で学術的意義がある。先行研究の多くは、年齢・性別・人種民族などの「アイデンティティに関連した属性」が多様化することで、アイデンティティに基づくサブグループが形成されることを示唆する。本研究は、働き方の違いがサブグループ化が生むことを示した。 第二に、本研究は分断の具体的な「トリガー」を明らかにした。既存研究の多くは、サブグループ化が実際に成員によって知覚されているのか、そのきっかけは何かという点検証していない。女性活躍推進に伴い、働き方が多様化する日本社会の文脈から、新たな分断の類型とそのトリガーを特定した点で、実践的・学術的意義があると期待される。
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