研究課題/領域番号 |
20K22101
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
|
研究機関 | 明治大学 (2022) 東京理科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
井上 達樹 明治大学, 商学部, 専任講師 (10876626)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 経済史 / 計量経済史 / 近代日本 / 質屋 / 小口金融 / 低所得層 / 死亡率 / 社会保障 / 金融 / 健康 / 都市 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,戦間期の日本で公益質屋による融資が死亡率及び死産率の低下に与えた影響を分析する。社会保障制度の未発達であった戦前において,低所得世帯に対する融資が社会にどのように貢献したかについては研究が進んでいない。そこで、戦間期の東京市(現在の東京23区部)を対象とし,史料分析と計量分析の双方からのアプローチによって,低所得層向け金融機関である公益質屋の意義を,死亡率や死産率の低下といった観点から明らかにする。
|
研究成果の概要 |
本研究では、戦間期の東京において低所得層向けの金融機関である公益質屋が健康に及ぼす影響を明らかにした。1927年から1935年までの質屋と死亡率に関する統計データを分析することで、公益質屋の利用拡大が乳児死亡率及び胎児死亡率を減少させたことが示された。これは、公益質屋による低利融資が低所得世帯の生活水準を向上させ、それが健康改善に寄与したためと考えられる。一方で、民間質屋と健康との関連は確認されなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、戦間期の東京市における質屋のデータを用いて、金融機関と公衆衛生との関わりを初めて明らかにした。この研究成果は、低所得層向けの金融機関が公衆衛生の改善にもたらした影響を示すとともに、歴史的な死亡率改善において質屋が果たした役割を明らかにした点で重要である。さらに、本研究により得られた知見は、歴史的な知見に加え現代社会においても、社会保障に関する政策策定に重要な示唆を提供するものである。
|