研究課題/領域番号 |
20K22115
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
加藤 拓巳 埼玉大学, 人文社会科学研究科, 講師 (90882225)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 商品・サービス開発 / ブランドマネジメント / コンセプト / 感性的価値 / ロイヤルティ / ブランドコンセプト / コンセプト想起 / 解釈レベル理論 / 商品開発 / デザイン / 商品コンセプト / 耐久消費財 |
研究開始時の研究の概要 |
機能的価値からデザインや顧客経験(user experience, UX)といった感性的価値に競争力の源泉が移っている.当然ながら,多くの企業でその認識が広がっているものの,依然として業績は十分とは言えない状況である.確かにデザイン等を向上することは効果的であるが,それ以上に基となるコンセプトがロイヤルティの獲得には重要であると仮説を立てた.実際,日本企業はコンセプトが曖昧なまま技術を投入することで,不発に終わることが多いと指摘される.そこでコンセプト想起率という新たな指標を提案し,消費者ロイヤルティへの貢献を示すことで,産業界の価値創造の一助となることを期待している.
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研究成果の概要 |
表面的な性能やデザインに価値を感じている消費者は,より高い性能,より優れたデザインを持ったブランドが出現した際に,すぐに心変わりしてしまう懸念がある。一方で,ロイヤルティの高い消費者は,ブランドのコンセプトを理解し,共感し,そこに価値を感じている。コンセプトの重要性は長らく認識されているにもかかわらず,産業界・学術界ともに,ロイヤルティの要因としては,性能やデザイン等の具体的特徴の評価が一般的である。その理由として,コンセプトを定量的に評価する方法の議論が驚くほど少ない現状がある。本研究は,ブランドの魅力として,具体的特徴よりもコンセプトを想起する方が高いロイヤルティを有することを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
商品・サービスの開発には,多くの部門が関係して意思決定が行われる。その際,基準が統一されていなければ,コンセプトが忘れ去られ,いつのまにか技術の追求に目的がすり変わってしまう。しかし,消費者のロイヤルティを獲得するには,コンセプトに共感されることが最も重要であり,デザインや技術はその実現手段に過ぎない。よって,手段の目的化に陥らないためにも,コンセプトを意思決定の中心に置くべきである。これまで,産業界・学術界の双方において,ブランドマネジメントにおいてコンセプトを扱うことは稀であったが,本研究は評価方法と効果を示した。この成果は,学術的知見を拡張し,実務での意思決定を支えることが期待される。
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