研究課題/領域番号 |
20K22125
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 石巻専修大学 |
研究代表者 |
佐藤 平国 石巻専修大学, 経営学部, 助教 (10878804)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 識別性 / 潜在的ディリクレ配分法 / ニューラルネットワーク / 潜在変数モデル / マーケティング尺度 / 消費者心理 / 消費者行動 / テキスト分析 / 機械学習 / ベイズ推定 / 識別可能性 / 心理測定尺度 |
研究開始時の研究の概要 |
高次元データの次元削減や特徴量抽出などを役割とする機械学習の多くは識別不能な潜在変数モデルである。これらはマーケティングや消費者行動分析において主成分分析や因子モデルのように商品や消費者などの潜在属性を要約したり、より一般にはデータの背後にある構造を推測したりする手法として扱われるようになっている。しかし、同一のデータやモデル構造を用いても、パラメータや潜在変数の解釈が一意に定まらないという不安定性の問題がある。そこで本研究では、機械学習の識別可能性に焦点をあて、消費者行動理論を踏まえた解釈や示唆を得るための定量モデルおよび方法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
この研究の目的は、消費者行動分析を想定した機械学習モデルの利用において、同一のデータおよび手法を用いても、同一の推定結果が再現されない問題について精査し、パラメータ推定の安定性を改善することである。この研究の成果は、主に次の2つにまとめられる。(1)制約を取り入れたLDAを推定するマルコフ連鎖モンテカルロ・アルゴリズムを提案し、推定値の安定性が改善されることを示した。(2)制約付きのニューラルネットワーク(オートエンコーダ)の推定によって、得られる結果の安定性を示した。しかし、これらは限定的な仮定での結果であり、より一般的な状況を想定した拡張が今後の課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的な意義は、社会科学の領域で重視されている識別性の側面から機械学習の応用を議論した点であると考えられる。特にマーケティングや消費者行動分野において、消費者心理のような観測できない要因や不確かな要因を仮説的に測定したり、モデルで記述したりすることは重要な役割を果たしてきた。しかし、それらについて同一のデータと手法を用いても著しく異なる結果が得られる場合には、意思決定に多重の不確実性を与えることになる。このような文脈で本研究の社会的意義は、実社会で急速に利用が進んでいる機械学習について、社会科学での理論的背景も考慮しながらより頑健な応用方法を探索したことであると考えられる。
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