研究課題/領域番号 |
20K22126
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 明海大学 |
研究代表者 |
鬼塚 雄大 明海大学, 経済学部, 講師 (30875985)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 業績管理システム / 業績管理システムの設計 / 業績管理システムの運用 / 相互作用効果 / 分権的組織 / 多国籍企業 / 経営企画部門 / 設計と運用の相互作用効果 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、既存研究にてその有用性が主張される一方で、多様な問題によって、マネジャーの部分最適、機会主義的な意思決定行動を引き起こすといった逆機能的側面も示唆されている多面的業績管理システムについて、運用方法という側面を加味することで、なぜ、どのようにして業績管理システムの逆機能的側面が引き起こされるのか、どのような運用方法により、それは回避、あるいは解消されうるのかについて説明することを試みる。本研究目的が達成されることで先行研究の結果におけるコンセンサスの欠如の原因を示し、業績管理システムの設計上の特徴のみならず、その運用方法を含めた包括的な検討が重要であることを主張する。
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研究成果の概要 |
本研究では、業績管理システムの設計上の特徴に適合的な運用方法が存在することを示した。具体的には、(単一の)財務指標のみに着目するような伝統的業績管理システムを採用する場合には、運用プロセス、特に上位マネジャーと下位マネジャーとの情報伝達プロセスにおいて、業績管理システムの設計面における不足分(業績評価指標として設定されていない重要成功要因)に関する情報を補完することが必要となる。他方、包括的業績管理システムを採用する場合には、例外管理的な運用方法が効果的であるが、トップ・マネジメントなどの上位マネジャーと下位マネジャーとの情報交換が活発であるほど、より効果的となることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究では多くの場合、業績管理システムは設計されたと同時に効果を発揮するものと捉えられ、システムをどのように扱うかという運用面は看過されてきた。また、数少ない運用面に着目した研究ではシステムの運用方法のみを抽出しようと試み、設計面との相互作用効果を想定していなかった。対して本研究は、先行研究において看過されてきた業績管理システムの運用面を包含し、設計面と運用面との相互作用効果に関する経験的証拠を提示している。これは、先行研究から発展した本研究の特色であり、「どのような業績管理システムをどのように運用すればよいのか」を示している点で実務に大きな貢献をもたらしている。
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