研究課題/領域番号 |
20K22136
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
芝 正太郎 早稲田大学, 政治経済学術院, その他(招聘研究員) (20877740)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | time preference / time inconsistency / time invariance / dynamic experiment / 時間選好 / 時間非整合性 / preference stability / Time invariance / Dynamic experiment / economic experiment / time variant preference |
研究開始時の研究の概要 |
個人の時間非整合的傾向(例えば前日決めたダイエット計画を先延ばしする)は社会厚生にも関わる重大な関心事であり、多くの実証研究が経済学実験を用いてその傾向を調べてきた。しかし従来の実験にはある特別な仮定(選択のtime invariance)が必要であり、近年その点を批判する研究が増えている。本研究では、選択のtime invarianceを直接テストして調べることで、どのような場合に従来の手法が正当化できるか明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では,個人の将来への意思決定がいつでも同じだという仮定(time invariance)に関する実験研究を行った.この仮定は時間選好の研究で最も重要な,選好の時間非整合性(例えば宿題の先送り)に関する実証研究で暗に課されてきたもので,近年これを正当化してよいか議論が行われている.本研究は実験を通じて,仮定が実証的には妥当だとしてよいことを明らかにした.もしも同一個人の意思決定がある時点と別の時点で違うならば,それはその時の所得や忙しさといった背後の変数が変わったからかもしれない.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
選好がtime invariantであれば,個人の先送り傾向(例えば嫌なことを先送りしがち,など)は一回のアンケートで簡単に測れる.従って本研究の結果は,この傾向を測るためには,本当に先送り可能な意思決定環境を用意する必要がないことを示唆している.様々な社会調査や経済実験で個人の先送り傾向が容易に測定できれば,それは様々な研究(例えば先送り傾向と本人の経済行動との関係を検証するなど)に利用できる.本研究はその前提条件を支持するエビデンスを提供したものといえる.
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