研究課題/領域番号 |
20K22143
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
高崎 優子 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (70873339)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | コミュニティ / 資源管理 / 東日本大震災 / 低平地 / 住民自治 / 場所 / 変動するコミュニティ / 動的なコミュニティ / 津波被災地 / 被傷性 / 集落跡地 / 災害 / 自然資源管理 / 回復力と持続可能性 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、資源管理の行為主体であるコミュニティを、所与で静的な存在としてではなく、生成・再編成される動的な存在として捉えることで、資源管理とコミュニティをめぐる議論に学術的貢献を試みる。具体的には、災害などによりコミュニティの枠組みが大きく変化する過程にある社会に焦点をあて、詳細な現地調査を通じて、コミュニティの変動性と資源管理の可変性との相関関係を探り、また、両者の共振関係について明らかにする。それらの分析から、最終的には、地域社会の持続可能性と回復力形成の社会的条件を提示することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究はコミュニティの生成や再編成といったプロセスのなかで資源管理がどのように変動するのかを明らかにし、両者の関係から地域社会の持続可能性と回復力形成の諸要件について考察することを目的とした。集落の離散、移動、合併を余儀なくされた津波被災地においては、旧来の自然資源管理はそのままに持続するものではなかった。だがその問題は、コミュニティの再編過程において必ずしも前景化しなかった。研究を通じて明らかになったのは、土地の荒廃が進行し、場所の継承が困難になった社会において、新たな資源管理の実践を通じて醸成されつつある緩やかなコミュニティが人びとの未来への選択肢を豊富化しているという事実であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はコミュニティを所与のものとして捉えるこれまでの資源管理の議論に対して、コミュニティの変動、生成といったプロセスにおける資源管理行為の位置づけを実証的に明らかにした点に学術的意義を有する。また、津波被災地におけるあらたな資源問題として荒廃した土地の管理問題が生じていること、およびその問題を引き起こした復興政策のメカニズムを明らかにした点に社会的意義を有する。地域社会の回復力形成のためには、資源をめぐる住民自治を確立する必要があり、そうした自治は規範モデルとしての強固で堅牢なコミュニティではなく、緩やかで動的なコミュニティによって果たされることがあることを示した。
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