研究課題/領域番号 |
20K22153
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 北陸学院大学 |
研究代表者 |
松本 理沙 北陸学院大学, 人間総合学部(子ども教育学科), 講師 (00880494)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | きょうだい / きょうだい児 / きょうだい支援 / ヤングケアラー / 子どもケアラー / 若者ケアラー / ケアラー / ケアラー支援 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の対象は、障害のある兄弟姉妹がいる人(以下「きょうだい」と表記)である。研究目的は、きょうだい支援における実践・啓発の課題を抽出し、課題解決に繋げることである。本研究では、きょうだい支援団体の運営者の立場(きょうだい、親、専門職者等)の違いに着目し、立場の違いがきょうだい支援の実践・啓発に与える影響を明らかにする。また、きょうだい支援団体が提供する支援ときょうだいのニーズが不一致だった場合のフォロー方法に関する研究も行い、きょうだいが必要としている実践・啓発を明らかにする。更に、実態調査の結果を踏まえたアクションリサーチを行い、運営者が実践・啓発を実施する際のガイドライン作成に取り組む。
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研究実績の概要 |
きょうだい支援に関する施策の動向と課題を分析した上で、ヤングケアラー・ケアラー支援ときょうだい支援の共通点・相違点を整理した。きょうだい支援では、ケアの対象が同年代である故に生じる課題がある。さらに、親が、きょうだいを障害のある我が子のケアの担い手として認識している場合、親と子どもの関係ではなく、ケア(育児)の協力関係、パートナーの関係になると言える。きょうだいは、あくまでも子どもとしての関わりを必要とされているため、ケア(育児)の協力者、パートナーとしての関わりを求められることに、負担を感じる場合がある。きょうだいが担う役割は身体的なケアや見守りに留まらず、親にとってのカウンセラーのような役割を果たすこともある。また、現在進行形でケアを担っていなくても、将来に対する不漠然とした不安等、潜在的なケアラーとしての苦悩を抱えている場合がある。あるいは、各々のライフステージにおいて障害にまつわる差別・偏見から生じる課題や、アダルトチルドレンといった家族関係から生じるきょうだいの特性等もある。 さらに、きょうだい支援団体の実践・啓発に関する研究も行った。「北陸きょうだい会」の活動からは、運営者の生活状況の変化(家族のケア、育児、「きょうだい」としての自分から離れる時間の確保等)を踏まえ、他団体との共催によるイベント企画も行いながら運営の維持を図る必要があることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
産前産後休業および育児休業の取得による研究の中断、育児休業後の生活状況により、進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で明らかとなったきょうだいと親の関係性を踏まえ、きょうだい支援団体の運営者の立場(きょうだい、親、専門職者等)の違いがきょうだい支援の実践・啓発に与える影響を明らかにする。また、きょうだい支援団体の提供する支援が、参加者のきょうだいのニーズにより寄り添った支援となるためのフォロー方法に関する研究も行い、きょうだいが必要としている実践・啓発を明らかにする。 研究代表者が拠点としている北陸地方においては、民間団体である「北陸きょうだい会」や「ヤングケアラープロジェクトいしかわ」、金沢市の「ヤングケアラー支援に関する検討会」等に携わる。さらに、オンラインの「Sibkotoシブコト│障害者のきょうだい(兄弟姉妹)のためのサイト」や、日本や海外のきょうだい支援関係者等で構成される「一般社団法人日本きょうだい福祉協会」等にも携わる。これらの活動も、研究に活かすことができると考えられる。
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