研究課題/領域番号 |
20K22158
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 関西学院大学 (2021-2022) 聖カタリナ大学 (2020) |
研究代表者 |
高橋 味央 関西学院大学, 人間福祉学部, 助教 (80828525)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 子どもの貧困 / 学校プラットフォーム / 教育と福祉の協働 / 排除と包摂 / 子どもの貧困対策 / 多職種協働 / 他職種協働 / 教育と福祉 |
研究開始時の研究の概要 |
昨今、我が国の子どもの貧困率は高い値で推移しており、支援方法の構築が喫緊の課題となっている。「子どもの貧困対策に関する大綱」(2014)では、学校を基盤に総合的な貧困対策を推進する学校プラットフォーム構想が掲げられたが、理論的根拠に基づく実践方法の確立には至っていない現状がある。本研究では、先駆的取り組みを行う学校や福祉機関等への質的調査を通して、子どもの貧困対策システムの構造や生成過程とその論理を解明し、学校プラットフォームの実践モデルを構築する。本研究は、貧困や社会的排除の問題解決に向け、今後より一層求められるであろう、教育と福祉の協働のための新たな理論的・実践的示唆を提示するものである。
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研究成果の概要 |
本研究では、学校内外の多彩なアクターを視野に入れ、貧困層の子どもへの支援がどのように展開されてきたのかを質的に描出することで、教育と福祉の協働による子どもの貧困対策システムの構造とその論理を明らかにし、学校プラットフォームの実践モデルに必要な構成要素を明示した。先駆的自治体であるX市では、行政組織の一元化を起点とした新施策の創出というマクロレベルの変革と、同和教育を起点とした学校と地域組織による包摂的な実践の創出というミクロレベルの変革が互いに結びつくことで、市内全体で教育福祉の重層的なネットワークが構築されていた。延いてはそれが、子どもの貧困対策の展開に寄与しているということを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、子どもの貧困対策の先駆的自治体を対象とした調査の実施によって、子ども支援システムの構造と展開過程を描出し、学校プラットフォームとしての実践モデルの構成要素を明らかにした。本研究の意義は、学校を基盤とする協働実践のあり方が未だ模索段階にあるという理論的・実践的課題が指摘される中、ケーススタディの手法を用いた質的研究を行うことで、子どもの貧困対策システムの構造とその動態を明らかにした点にある。本研究は、昨今深刻化している貧困や格差という問題の解決に向けた理論的・実践的示唆を提示するとともに、従来分断が指摘されてきた教育と福祉の関係について、その学術的発展に寄与するものであると考える。
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