研究課題/領域番号 |
20K22162
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 常葉大学 (2022-2023) 東京大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
柳 采延 常葉大学, 外国語学部, 講師 (90882217)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 家父長制 / 専業主婦 / 個人化 / 非婚化 / 二重負担 / 韓国 / 専業主婦イデオロギー / 非婚志向 / フェミニズム / 4非 / ライフコース / 非婚 / 非恋愛 / ライフコース選択 / 階層 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では家父長制を、ジェンダー非対称性が社会構造の中に埋め込まれた「選択肢の構造化と配分」のシステムとして捉える。そのような視角に基づき、韓国社会を事例に、マクロな社会構造の変化の分析と併せた、質問紙調査とインタビュー調査から女性たちの労働力再生産(結婚、出産、養育、教育)の構造の全体像を明らかにする。具体的には階層・世代別のそれぞれの属性がどのような意識を経由し、女性のライフコース選択を決定しているかを分析する。その結果から「家父長制」と階層性のかかわりを明らかにし、分析概念としての家父長制の理論モデルを精緻化することを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、女性たちのライフコース選択の背景にある意識(家族意識/ジェンダー意識/就業意識など)がどのように変化しているのかを分析することで、韓国における家父長制の変容の様相を捉えることを目的とした。特に、専業主婦イデオロギーが維持されるメカニズムと、その一方で急激に進行する未婚化・非婚化・少子化の背景にある意識について、ジェンダーと階層の観点から分析した。韓国社会の家父長制にうまく適応できる人々と、それに適応・同調できない人々の間の格差は、労働力再生産(婚姻、出産、子どもの教育)のありようの違いとして今後あらわれ、さらに階層化していく可能性があることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
労働市場や社会経済的地位のジェンダー不平等だけでなく、様々な領域における男女非対称性に対する認識が高まっている近年、変わりつつある韓国女性の価値観が、社会規範とどのように衝突し、また迎合しながらライフコース選択に関与しているかについて明らかにし、韓国社会の新しい動向を捉えることができた。また、韓国の未婚化や少子化の進行について、韓国社会では若者の雇用不安定など経済的要因のみが強調されがちだが、ジェンダーという視点を入れることで、韓国の家父長制がどのように作用しているかということが示唆された。
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