研究課題/領域番号 |
20K22163
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
牧田 裕美 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (00882862)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 社会運動 / 民営化 / ボリビア / 水道事業 / 再公営化 / 水資源 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ボリビアの三大都市にて生じた水道事業の運営に関する社会運動の異なる3つの展開に関する分析を行う。これまでボリビアが水道事業の民営化を撤回させた事例は、成功例として論じられてきた。しかし、実際は撤回運動の成功に至るまでの社会運動の展開は複数存在している。ボリビアの事例は水道事業の管理・運営という同一の目的に対して3つの異なる展開を示した。本研究は、現地調査によって、運動の過程に関して社会運動家と市民のデータを収集する。次に、コンピュータ・シミュレーションによって、当該地の住民に運動がいかに解釈されていたのか、運動に与えた影響を明らかにし、3つの展開の差異を生じさせた要因を明らかにする。
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研究成果の概要 |
2021年4月15日に第78回アメリカ中西部政治学会(78th Annual MPSA Political Science Conference Virtual, April 15, 2021)にて「2000年代のボリビア社会 運動の解析:エージェント・ベースド・シミュレーションを用いた比較分析”のUnpacking Bolivian social movements in 2000s: Comparative analysis and agent-based simulations”)を発表した。その際に受けたコメントが具体的かつ有益なものが多く、査読論文を通すべく論文を複数回校正している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ボリビアにて2000年代に生じた2つの「水戦争」は、水道事業の民営化を社会運動によって撤回した「社会運動としての成功例」である。しかし、水をテーマとした運動にもかかわらず、「成功」した後も市民の水道サービスへのアクセスは改善しなかった。なぜ、「社会運動の成功」では現状を改善できなかったのか、これを主な問いとして、2つの水戦争を分析している。特に第二次水戦争は資料へのアクセスの悪さから、分析が進んでこなかった。筆者は10年以上かけて資料の所在を明らかにし、分析を進めている。この分析を通じて、水資源の最適な運用と、世界の他の事例への適用が可能となると考える。
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