研究課題/領域番号 |
20K22172
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
|
研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
伊吹 唯 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (00880189)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | エスニック帰還移民 / 社会統合 / 生活戦術 / 戦術的同化 / 出移民史 / 相互作用 / 移民 / 国民統合 / 生活戦術としての同化 / 社会統合論 / 文化的多様性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、「多文化共生」のように多様性を尊重する政策が主に地方自治体により推進されている。一方、国民国家は同質的な国民を中心に成立している。このような多様性の尊重と国民国家の論理が交錯する地域社会において、移民は様々な生活戦術をとっており、その1つにマジョリティの文化や言語などに合わせる同化戦術がある。本研究は、移民がどのような同化戦術をとり、その背景に地域社会によるどのような移民受け入れの論理があるのかを、フィールドワークから明らかにする。移民受け入れ現場の分析から移民の社会統合を論じることは、移民との共生という課題に対しても示唆的であり、本研究は日本社会の抱える問題の解決にも貢献しうる。
|
研究成果の概要 |
本研究は、日本において移民の同化についての研究が不足していることをふまえ、地域社会における移民受け入れの論理と移民の同化戦術の相互作用に着目し、日本の地域社会における移民の統合の様相を明らかにすることを目的としてきた。研究の成果としては、主に、 ①日本にルーツを持つエスニック帰還移民(日系帰還移民)の同化戦術の分析枠組みを構築し、②日系帰還移民と他のエスニック帰還移民との比較行い、③従来調査してきた長野県Y市における日系帰還移民の位置づけを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本社会に暮らすニューカマー移民の研究は、移民受け入れ社会の構造に踏み込んだ議論や理論的研究が不足すると指摘されてきた。本研究は、移民の同化についての理論化の第一歩として、日本の移民研究の理論的発展に貢献したと考える。加えて、現在の移民について、歴史的視点を取り入れた研究を行う必要性を示した点は、移民史研究と移民研究の接続に貢献した。また、本研究は、移民受け入れ現場の担当者への聞き取りや移民当事者へのインタビューを含む調査を実施しており、現場の視点に根差した理論は、今後、日本社会や地域社会の統合政策の形成に対しても貢献しうるものである。
|