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多様な性的マイノリティの連帯はいかにして可能となるのか

研究課題

研究課題/領域番号 20K22173
研究種目

研究活動スタート支援

配分区分基金
審査区分 0108:社会学およびその関連分野
研究機関九州大学 (2023)
中村学園大学短期大学部 (2020-2022)

研究代表者

井上 智史  九州大学, 人間環境学研究院, 講師 (00880460)

研究期間 (年度) 2020-09-11 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
キーワード性的マイノリティ / 社会運動 / 地方都市
研究開始時の研究の概要

本研究は地方都市における性的マイノリティの社会運動に注目し、多様な性的マイノリティを含む連帯がどのように形成されているかを明らかにする。その際、近年の同性婚推進運動の主流化に見られるような、支配的な道徳的基準による共感可能性による連帯とは異なる連帯のあり方に注目する。差異にもとづく多様な性的マイノリティの連帯のあり方から、他の社会的マイノリティの排除/包摂の問題をめぐって議論される社会的連帯のあり方に対して、より普遍的な含意を探求する。

研究実績の概要

本研究は従来の研究において十分に検討されてこなかった地方都市における性的マイノリティの社会運動を研究対象として、その実態を記述的に明らかにし、さらに近年の〈LGBT運動の主流化〉のなかで看過されがちなゲイ、レズビアン以外の多様な性的マイノリティを含む連帯がいかにして形成されうるかを実証的に明らかにすることを目的としている。また、そのような連帯の形成過程の分析から〈差異のある他者との連帯〉に関する一般理論の構築に寄与することを目指している。
本年度の研究においては昨年度までの研究に引き続いて、九州地方で性的マイノリティに対する支援や啓発活動を行う当事者団体を対象とする社会調査を実施した。また、当事者団体を発行主体とするニュースレター等の資料の収集・分析についても継続的に実施した。これらを通じて社会運動・市民活動におけるフレーミング分析を行い、連帯の政治の展開過程を事例にもとづいて跡づけた。くわえて、社会調査における調査データの解釈の妥当性の検討と精緻化を目的として、認識論を専門とする研究者との意見交換および現象学的社会学の方法論に関する検討を行った。これらにより本研究における社会調査データの分析・考察を進展させることができた。
研究成果としては、主として文献調査・資料調査による知見と過年度調査の再分析にもとづいて、図書3件の分担執筆を行い発表した。次年度の研究においては、当初の研究計画において実施を予定していたものを含めて、調査対象の拡大、充実を図りながら社会調査を実施し、他地域の事例との比較検討を進展させることを予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の流行による研究活動への影響は過年度に比べ限定的なものとなったが、現地調査を中心として研究計画の遂行に遅れが生じている。過年度に実施した調査データや資料等を整理・分析することによって本研究課題を遂行し、これらの成果を図書3件として発表することができたが、社会調査の実施の遅れにともない研究成果の発表についても十分に行うことができなかった。そのため、現在の達成度については「遅れている」と判断する。

今後の研究の推進方策

次年度の研究においては、性的マイノリティをめぐる社会運動の展開過程を明らかにするための社会調査を実施し、研究を遂行する。あわせて、分析における理論的な精緻化を図るために関連文献の渉猟・精読を継続的に行う。これらの研究成果については、学会報告や研究会報告、論文投稿といった方法で発表する。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023 2022 2021 2020

すべて 学会発表 (2件) 図書 (5件)

  • [学会発表] 中間集団としての当事者組織:性的マイノリティの当事者組織の事例から2022

    • 著者名/発表者名
      井上智史
    • 学会等名
      日本社会分析学会第141回例会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] HIV 対策における排除と抵抗:疫学研究者とゲイ NGO の協働体制の事例から2021

    • 著者名/発表者名
      井上智史
    • 学会等名
      日本社会病理学会第36回大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [図書] 入門・地域社会学:現代的課題との関わりで2024

    • 著者名/発表者名
      山本努編
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      学文社
    • ISBN
      9784762032547
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 入門・社会学:現代的課題との関わりで2023

    • 著者名/発表者名
      山本努・吉武由彩編
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      学文社
    • ISBN
      9784762032530
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 入門・福祉社会学:現代的課題との関わりで2023

    • 著者名/発表者名
      吉武由彩編
    • 総ページ数
      232
    • 出版者
      学文社
    • ISBN
      9784762032561
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] よくわかる地域社会学2022

    • 著者名/発表者名
      山本 努
    • 総ページ数
      242
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623093533
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] ジレンマの社会学2020

    • 著者名/発表者名
      三隅 一人、高野 和良
    • 総ページ数
      288
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623089772
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

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公開日: 2020-09-29   更新日: 2024-12-25  

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