研究課題/領域番号 |
20K22183
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
宮本 雄太 福井大学, 学術研究院教育・人文社会系部門(教員養成), 講師 (50883097)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 同調性 / 生成機序 / 幼児 / 集団 / 文化 / 質的研究 / エスノグラフィー / 保育集団 / 集団性 / 幼児の言動 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究で検討する“保育集団内に生じる幼児の同調性”は,そのほとんどが保育者と幼児集団といった[大人-子ども] 間の応答の中で表出する同調性が検討されており,保育集団内での幼児同士のやりとりに基づいた同調性の検討は少ない。以上を踏まえて,本研究は,エスノグラフィーの手法を用いて,(1)文化性に言及する際に施設形態の違いを捉える,(2)保育集団内の活動ごとにみられる幼児間の同調性の表出の違いを検討する,という二点から幼児が表出する同調性の過程を微視的に検討する。以上を踏まえて,保育集団内に生じる幼児の同調性の生成機序を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
幼児の保育集団内に生じる同調性の生成機序を検討するために、5園の3-5歳児21クラスへの観察調査と保育者等への聞き取り調査を実施した。結果、幼児の同調関係を示す特徴として、幼児なりの多様なルール表出が含意していること、集団への包摂と排除の意識が作用していること、他者との認識のずれを顕在化させる方略が示されていること、ずれへの不快感を埋めるための方略があり、これらは施設文化に応じて表出の度合いが異なることが示された。また、保育者は、幼児の同調性や同調行為を有効に機能させる工夫として、目的共有、対話、協働という三要素を土台に問題解決に向かう中で、子どものウェルビーイングを模索する視点が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、これまであまり検討されてこなかった幼児集団の同調性に関して、保育集団内で表出する幼児の言動表出を検討するとともに、同調性に対して保育者が持つ意識について検討した。第一の意義は、エスノグラフィーの手法を用いて幼児間の同時多発的かつ複雑なやりとりを微視的に分析し、幼児間の同調性の特徴を示した点である。第二の意義は、幼児の同調性の生成機序には園文化の違いや見られることを示した点である。第三の意義は、保育者が集団形成に際して同調性の有用さを意識的に取り入れる構えがあることを示した点である。これら三点から、幼児の同調性研究に一つの視座を提供したといえる。
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