研究課題/領域番号 |
20K22191
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 名寄市立大学 |
研究代表者 |
及川 智博 名寄市立大学, 保健福祉学部, 講師 (50879450)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 幼児 / 保育 / 保育者 / 仲間関係 / 実践知 / クラス替え / 遊び / 環境移行 / 専門性 |
研究開始時の研究の概要 |
クラスメイトと形成する仲間関係は,日々の遊びや保育を豊かにしてくれる大切な資源である。そして,1年にわたって生活を共にするメンバーを決めるのが年度当初のクラス替えである。では,保育者はクラス替えをいかに議論・編成しているのか,その実践知を明らかにするのが本研究の目的である。 調査は幼児教育施設を対象に以下の手順で進められる。まず,クラス替え以前における幼児間の仲間関係を把握すべく,保育者を対象にグループインタビューを実施する。次に,クラス編成をめぐる会議等の議論を追跡し,どのように新しいクラスが編成・決定されていくのかを検討する。最後に,進級後の幼児の仲間関係について聞き取り等により追跡する。
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研究成果の概要 |
本研究は,保育者がクラス替えをいかに実施しているのか,その実践知を明らかにすることを目的とした。保育施設3園で面接調査を実施した。分析の結果,以下の仮説モデルが生成された。保育者は【クラス替え実施の有無】を判断した後,2つの検討を行っていた。第1に,小学校区や保育の利用時間等の【クラス編成にかかわる考慮事項】を踏まえたクラス編成である。第2に,幼児が遊びの楽しさに出会っていくための【子どもたちの姿の見とり】に基づく【子どもたちが遊びを楽しむためのクラス編成】である。保育者は両者に関する【バランスの調整】を行っていた。最後に,保育者は【子どもたちを信じる】ことでクラス編成の案を決定していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は,「クラス替え」という,これまで何気なく行われてきた実践に埋め込まれた保育者の専門性を言語化した点にある。特に,保護者にとってクラス替えは,我が子がどの他児や保育者と同じクラスになるか,関心を寄せるイベントの1つである。本研究の成果はそのクラス替えが,幼児たちの遊びの充実を目指すという,保育者の教育的意図を背景に進められる専門的な援助の1つであることを見出した。また,それと同時に,本研究の成果はクラス替えを単なる環境移行としてではなく,保育者による専門的援助として捉えるという,幼児期の仲間関係研究をめぐる新たな学術的視野を拓くものである。
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