研究課題/領域番号 |
20K22194
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 (2022) 明治学院大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
原田 亜紀子 広島大学, IDEC国際連携機構:CICE, 研究員 (20882583)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 学校民主主義 / 民主主義教育 / 主権者教育 / 生徒参加 / デンマーク / 生徒会 / 授業 / シティズンシップ教育 / シティズンシップ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、デンマークの学校民主主義に着目し、有効感や議論する力、意見表明や意思決定といった民主主義のスキルを身近な生活領域での実践により獲得する主権者教育を検討する。主権者教育では、議会制民主主義や統治機構の学習に加え、それらがどのように機能し、あるいは機能不全に陥っているのか、「主権者」がいかに多様なルーツを持つ人々で構成され、様々な事情を対話により調整する必要があるのか学ぶ仕組みが課題となる。本研究は「学校自体が民主主義のモデルである」という理念のもと、自由な議論が保障される授業、学校政策への提言も行う生徒会などのデンマークの事例から、生徒が政治主体となる民主主義教育の道筋を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では、学校の民主化や影響力を行使する生徒会を特徴とするデンマークを事例として、授業、学級運営、学校運営に生徒が参加する過程や仕組みを明らかにすることを目的とした。現地でのインタビューや参与観察を通して、形骸化された参加ではなく、実質的な参加の仕組みを実現する学校には、以下の点が見い出された。まず、日常的なコミュニケーションと信頼が成立する学校では、授業における自由な議論が可能となり、生徒会は影響力を行使する組織として機能していることが明らかになった。また、授業では教授方法やテーマ設定に関して生徒の提案を教師が取り入れており、生徒の教師への信頼は相対的に高かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、学校において、校長・教師・生徒の間での信頼関係の構築、水平的なコミュニケーションの実現、教師や生徒の自律性を尊重する校長のリーダーシップが確立している場合には、民主主義が内包するトップダウンやヒエラルキーといった課題を乗り越える可能性が示唆された。こうしたデンマークの実践は、日本の主権者教育や学校経営、今日の校則見直しの動きにとって社会的な意義がある。また、本研究は、シティズンシップ教育論や、国内外で先行研究が少ない、学校における子どもの権利や参加に関する実証的な研究へ学術的な意義がある。
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