研究課題/領域番号 |
20K22200
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪成蹊大学 |
研究代表者 |
市川 和也 大阪成蹊大学, 教育学部, 講師 (10880148)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | カリキュラム研究 / 教育課程研究 / 教授学 / ドイツ / 教育学 / 教育方法学 / カリキュラム / レーアプラン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、戦後西ドイツおよびドイツ(以下、ドイツと表記する)の教育課程研究の歴史について検討する。ドイツで「教育課程」を意味する言葉には、伝統的にドイツの教授学と関係の深い「レーアプラン(Lehrplan)」と、米国カリキュラム研究の影響を受けた「カリキュラム(Curriculum)」の二つが存在する。本研究は、ドイツの教授学と米国カリキュラム研究という布置のなかでドイツの教育課程がどのような根拠をもとに、どの主体(例えば国家、教師、親など)によって正当化されてきたかという点を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では戦後西ドイツにおけるカリキュラム理論において、カリキュラムの正当化がどのように行われてきたかを学説史にもとづいて検討した。60,70年代の西ドイツはディルタイ由来の精神科学を前身にもちながら、経験科学や批判理論など、多種多様な理論を背景に持つカリキュラム理論が打ち出され、カリキュラム開発実践の基盤となった。本研究はこうした西ドイツ独自の発展を遂げた60,70年代のカリキュラム研究の基盤にあるヴェーニガーのレーアプラン理論を検討し、彼の研究が以後のカリキュラム研究の出発点となったことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本のカリキュラム論はPISA以来、コンピテンシー等に代表されるように、身につけるべき資質・能力をベースに内容の選択が論じられる傾向にある。しかし、カリキュラムの論じられ方は各国によっても異なり、本研究が取り上げるドイツにおいてはBildungなど、日本や英米とは異なる概念がカリキュラムの中心に置かれてきた。そうしたドイツのカリキュラム研究を、それが根差す思想・哲学を鑑みながら検討することによって、主に英米に依拠してきた日本のカリキュラム研究の正当化の論理を相対化し、別様のカリキュラム像を示唆したい。
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