研究課題/領域番号 |
20K22201
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫教育大学 (2021-2022) 高崎経済大学 (2020) |
研究代表者 |
吉田 夏帆 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 講師 (10878383)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 教育政策 / 教育格差 / 社会・経済 / 修学実態 / ミャンマー |
研究開始時の研究の概要 |
開発途上国では、社会・経済環境が厳しい者ほど教育政策の効果を十分享受し得ない可能性が指摘される一方、教育セクターの枠組みを超えて政策効果をつぶさに検討した研究は実に乏しい。学習者を取り巻く社会・経済状態が芳しくないと、教育政策は有効に機能しないのか。いかなる方策であれば、不利な立場に残された者の状況改善に的確に対応できるのか。本研究は、ミャンマーの基礎教育を事例に、マクロデータから溢れ落ちてしまうミクロな修学実態に着目しつつ、学習者を取り巻く社会・経済の影響を踏まえた教育政策の効果検証を試みる。そして、都市部と地方部の結果の比較・検討を通して、同国を含む開発途上国への具体的な提言抽出を目指す。
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研究成果の概要 |
分析の結果、まず留年状況については、学習者の社会・経済水準によって教育政策の効果の現れ方は異なるものの、その一定の有効性が示された。他方、退学状況については、教育政策の有効性は確認されず、むしろ学習者の社会・経済水準などに左右されることが明らかとなった。これらのことから、社会・経済水準が異なるグループ間の教育段階別の教育格差の推移については、初等教育段階では社会・経済水準の高いグループと低いグループ間の格差は大幅に縮小した。一方、中等教育段階では両グループ間の格差は顕著に縮小しておらず、逆に大学合格状況においては、両グループ間の教育格差は約2倍にまで拡大する結果となっていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的・社会的意義等は次の通りである。①開発途上国を対象に、教育政策が個々人の修学状況にもたらす効果を、学習者を取り巻く社会・経済の影響も踏まえながら包括的に検証しようとした点。②①で得られた分析結果にもとづき、その教育政策が真に包摂的で公平な教育普及に貢献できているかを明らかにしようとした点。③教育政策の効果を検証する過程で、ミャンマーの軍事政権時代から民政移管以降にかけての約30年間にわたる基礎教育の変遷を、実際に当時を生きた学習者個々人の修学状況にもとづいて明らかにし同国のリアルな修学実態の変遷を提示した点。
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