研究課題/領域番号 |
20K22203
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 広島文化学園大学 |
研究代表者 |
伊藤 駿 広島文化学園大学, 学芸学部, 講師 (90883695)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スコットランド / インクルーシブ教育 / 議事録文政 / 英国 / 比較教育学 / 障害児教育 / PISA / 新型コロナウィルス / 発達障害 / ギフテッド / コロナ禍 / 議事録分析 / インクルージョン / 排除と包摂 / 教育政策 / スコットランド議会 / 政策分析 |
研究開始時の研究の概要 |
英国の一地域であるスコットランドは1998年以降、通常学校においてすべての子どものニーズに応答することをインクルーシブ教育として志向し、その結果として特別学校在籍者割合が減少傾向にある。本研究ではこのスコットランドのインクルーシブ教育について、特に次の2点を明らかにすることを目的とする。 (1)スコットランドのインクルーシブ教育実現に向けた政策はどのような議論のもとで成立してきたのか。 (2)政策の決定を受け、学校現場はどのような支援施策を実現してきたのか。 これらの調査・分析をもとに、イングランドと比較して蓄積が著しく少ないスコットランドのインクルーシブ教育研究を発展させることをめざす。
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研究成果の概要 |
本研究は通常学校を中心としたインクルーシブ教育を実現しているスコットランドに注目し、その政策展開とその帰結を明らかにするものである。そのために議会の議事録分析および統計データをもとにした計量分析に取り組んだ。研究の構想段階では渡英し専門家や学校関係者に聞き取り調査を実施する予定であったが、新型コロナウィルスの影響から実現することはできなかった。しかし、随時文献調査や統計データをもとにした分析を随時実施したことで、研究構想の段階では想定していなかった、英国内部の他地域と比較した時のスコットランドの特徴を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2022年、日本は、スコットランドとは対照的に特別支援学級籍の児童生徒が授業時数の半分以上を特別支援学級で受けるという方針が通知により示された。インクルーシブ教育のあり方はそれぞれの国や地域の文脈に依存するものではあるが、障害者権利条約の一般的意見第4号を参照すれば、こうした日本の通知は国際的な流れに逆行するものであると言わざるを得ない。その時、通常学校への包摂を実現していると考えられるスコットランドの実践において、いかにして通常学校で様々な教育的ニーズのある子どもたちのニーズに応答できる教育を展開しているのかということを政策の観点から明らかにした本研究は意義深いものであったと自負している。
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