研究課題/領域番号 |
20K22207
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 福島大学 |
研究代表者 |
呉 書雅 福島大学, 教育推進機構, 特任准教授 (70880219)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 奨学金 / student financial aid / 学習行動 / 異時点間選択 / 学生支援 / 学生生活 / 行動経済学 / 日本学生支援機構 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,行動経済学の知見を応用し,学習/就労の経済的効用が大学生にどのように認知されているかに着目し,「なぜ大学生は必ずしも必要ではない場合であっても学習時間を削ってアルバイトに従事するのか」の解明を試みる。実証分析に際しては,学習/就労の経済的効用が得られるタイミングの差異(学習:遅い/就労:早い)に着目した異時点間選択理論を土台として,大学生が学習や就労の経済的効用の規模をどのように判断しているか,どのような条件によって判断が変化するかを明らかにする。これにより奨学金が大学生の学習行動に与える複合的な影響を紐解くと共に,大学生の学習を促進する奨学金制度のあり方を示唆する知見を獲得する。
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研究成果の概要 |
行動経済学の観点から、学習/就労の経済的効用が大学生にどのように認知されているかに着目し、「なぜ大学生は必ずしも必要ではない場合であっても学習時間を削ってアルバイトに従事するのか」について、(1)理論的枠組の構築、(2)実証的検証「経済支援による学習行動調査」を行った。これにより学習については時間選好(近視眼・ナイーブ)及び心の会計(学生が収入や支出の意思決定に際して、資金源や使途に応じた規範意識による影響を受ける現象、具体的には遊興費を自活するという「遊興費自活」の規範意識等)が影響していること、就労については「遊興費自活」の経済観念が規定要因となりうることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、高等教育研究を土台としつつそこに行動経済学の理論を応用することで、学生の経済面だけではなく、学生の選好(内的要因)が、奨学金および学生に対する経済支援の学習への影響を検証する点に特徴があり、この点で国内外の奨学金研究を一歩推し進めることができた点が評価できる。また、どのような改善・改革によって経済支援制度(特に日本学生支援機構奨学金)の就労抑制効果・学習支援効果を強化することができるのかを提示したことが本研究の社会的意義である。
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