研究課題/領域番号 |
20K22210
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 文教大学 (2023) 東京学芸大学 (2020-2022) |
研究代表者 |
大森 一三 文教大学, 国際学部, 准教授 (20826557)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | グローバル・シティズンシップ教育 / 多元主義 / カント / ディルタイ / 哲学教育 / 徳倫理学 / 哲学 / 成熟 / 啓蒙 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「グローバル・シティズンシップ教育」における多元主義的な思考・態度の育成という理念を解明し、この理念の具体化のための哲学教育との連関を明らかにしてゆく。 本研究は、次の2つの主題に沿って研究を進めてゆく。①「グローバル・シティズンシップ教育」の基礎理論である「シティズンシップ教育」および「市民性」概念の今日的課題を明らかにする。②イマヌエル・カントの世界市民的教育論の全体像を捉え直し、「グローバル・シティズンシップ教育」に不可欠な多元主義的な思考・態度の育成と哲学教育との連関を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究の成果として、主に次の3点が挙げられる。 第一に、カント教育学に込められた世界市民性の陶冶という理念が、地域的/水平的だけではなく時代的/垂直的な意味でも多元主義的であることを明らかにした。第二に、カントとディルタイの教育学および倫理学との比較考察により、 両者の思想の共通点と相違点とを明らかにした。第三に、「グローバルシティズン・シップ」という理念の探究は、徳倫理学が目指す「徳の解明」という課題と、かなりの程度重なるという解釈を示した。それゆえ、今日の徳倫理学の成果を教育哲学と接続することは、今後の「グローバル・シティズンシップ教育」の推進について寄与しうることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「シティズンシップ教育」における国家主義的教育と「グローバル・シティズンシップ教育」に求められるグローバルな規模での普遍教育との架橋という課題の解決に向けて、次の2つの事柄を解明した。第一に、カントおよびディルタイの教育学および倫理学の中から、一方的な普遍主義ではなく、自身の文化および時代的制約を相対化し続け、異なる文化と時代の価値観との対話的態度を養うという多元的な「グローバルシティズンシップ」の意味を認めることができることを解明した。第二に、さらなる本研究の課題の推進のために、徳倫理学と教育哲学との比較研究が有益であることを示した。
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