研究課題/領域番号 |
20K22215
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 名寄市立大学 |
研究代表者 |
奥村 香澄 名寄市立大学, 保健福祉学部, 講師 (60781482)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ADHDハイリスク児 / 早期支援 / 認知特性 / 注意欠如・多動症 / ADHD / PASS評定尺度 / 子どもの強さと困難さチェックリスト / ADHD-RS / CSE-D / 育児負担 / 注意欠如多動症 / 円環的評価モデル / 近赤外線スペクトロスコピー / DN-CAS / 育児ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
注意欠如多動症ハイリスク児 (以下、ハイリスク児) の定義は研究によって様々であるが、一般的に継続的な行動上の問題を示すこと、それに伴う母親の育児ストレスの高さが指摘されている。一方で、医学的診断がついていないため、ハイリスク児やその保護者への支援は十分ではない。さらに、ハイリスク児の生物学的、心理学的、社会的特性は明らかにされていない。本研究では、ハイリスク児の行動面、認知面、脳活動それぞれの指標を用いて評価することにより、ハイリスク児の行動、認知特性を明らかにするとともに、脳機能の特異性を解明する。そこから得られた知見をもとに、ハイリスク児の早期発見に向けた円環的評価モデルの構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、就学後に学習面、対人面にて困難さが予想されるADHDハイリスク児に対して、その認知的特徴を捉えることによって、早期発見、早期支援について知見を得ることを目的とした。5歳から6歳までの就学前の幼児21名を対象として知能検査であるWISC-IVを実施した。その結果、ADHDハイリスク児においては、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度といった認知機能のうち、ワーキングメモリーにおける困難さが顕著に表れることが明らかになった。さらに、ADHDハイリスク児では、言語面での相対的な強さが見られた。これらの認知特性を考慮に入れた支援を就学後も引き続き行っていく必要があると言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ADHDハイリスク児においては、ワーキングメモリーにおける困難さが顕著に表れることが明らかになった。このことは、就学後に教室における教師の一斉指示への聞き取りの困難さ、マルチタスクや順序性のある課題などに対する苦手さにつながると予測される。ワーキングメモリーの困難さは幼児期においても、ゲームのルールが理解できない、一斉指示を理解しできないなどの状態像として表出すると考えられる。ADHDハイリスク児の早期発見、早期支援によって、ADHDハイリスク児の自尊心の低下を防ぐとともに、幼小連携においても、ハイリスク児の認知的特性とそれに応じた適切な支援方法の引継ぎが可能になると考えられる。
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