研究課題/領域番号 |
20K22222
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
田中 智子 早稲田大学, 歴史館, 助手 (40633566)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 大学 / 学生自治会 / 占領軍 / 日本共産党 / 民間情報教育局(CIE) |
研究開始時の研究の概要 |
日本における大学学生自治会は、第二次世界大戦後から数年の間に多くの高等教育機関において設立された。しかしながら、その発足に至る背景や過程については未だ解明されていない部分が多い。 先行研究の中には、設立期の学生自治会について、占領軍によって上から与えられたとしているもの、あるいは戦後復活した日本共産党の指導を受けて活動を行っていたとするものが少なくない。しかしそれらを資料によって実証している研究は未だ存在しない。 そこで本研究においては、「日本占領関係資料」および「戦後日本共産党関係資料」をもとに、大学学生自治会の成立過程と、そこに両者が与えた影響の有無について明らかにしていく。
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研究実績の概要 |
本研究は占領期(1945-51年)を対象に、主として①戦後日本共産党関係資料および②日本占領関係資料(主にCIE関係文書)を用いて、大学学生自治会の成立過程およびその背景を明らかにすることを目的としている。 令和4年度は、令和2年度および令和3年度の成果のまとめ・公表と追加調査を行なった。これまでの研究成果を「日本の大学学生自治会に対する占領軍の見解 ―CIE会見録の分析から―」という論文にまとめ、教育史学会紀要『日本の教育史学』第65集に掲載した。そのほか、個別大学の特徴をみるため、早稲田大学の事例について追加調査を進め、その成果の一部を資料紹介という形式ではあるが、研究補助者と連名で「CIE Conference Report(民間情報教育局会見録)早稲田大学関係文書 ―学生関係を中心に―」にまとめ、『早稲田大学史記要』第54巻に掲載した。早稲田大学の事例においては、学生自治会の代表が公職追放すべき教員のリストを占領軍に提出したり、それに対して総長以下の教員が占領軍に対して当該教員の弁護を行なっている様子が明らかになった。 追加調査としては、令和3年度に引き続き国立国会図書館憲政資料室にて、CIE会見録等日本占領関係資料の収集と翻訳を行なったほか、令和4年7月には同志社大学人文科学研究所所蔵の初期全学連資料の調査を行ない、占領期の学生運動関係資料の収集を行なった。今後も引き続き、個別大学の事例について追加調査を行なう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年度は新型コロナウィルスの流行も落ち着き、遠方への出張調査が再開できたものの、訪問できた機関は一部にとどまった。この資料調査が十分に行なえなかったという点によって、研究計画にやや遅れが生じる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度に個別大学の事例として、早稲田大学の事例について調査したが、この間の調査で1950年の日本共産党の分裂により、その後のレッドパージ反対運動における学生自治会の動きが関東の大学と関西の大学とで異なることが判明した。令和5年度は京都大学を中心とした関西の大学学生自治会に焦点を当て、調査研究を進めたい。
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