研究課題/領域番号 |
20K22234
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 (2022) 九州女子短期大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
鄭 修娟 九州大学, 人間環境学研究院, 助教 (10882897)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 養護教諭 / COVID-19 / 学校保健 / 学校安全 / 学校再開 / 学校保健安全法 / 一斉休校 / 分散登校 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、学校の中で周辺的存在として位置付けられてきた養護教諭の専門性を再検討することにより、学校危機管理をめぐるエビデンス構築をめざす。学校保健安全法成立後、養護教諭の専門性は一層重要になってきたが、今般のCOVID-19をめぐる状況からもわかるように、学校保健のエキスパートである養護教諭を中心とした学校自ら下す専門的判断は捨象され、行政や政治的判断による学校の危機対応が続く状況にある。また、学校の危機管理は常に学術的課題であるが、その知見が十分活用されてきたとは言えない。本研究では、学校保健安全法成立後の養護教諭の位置づけ変化を手掛かりに、学校の危機管理における今日的課題を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、コロナ禍という予想外の危機が訪れ、非日常が日常になりつつある最中、養護教諭が人間として持つ悩み、不安等、表面的には読み取れない語りを「記録」として収集することができた。学校内で周辺的存在として認識されてきた養護教諭が学校保健の専門家として全面に登場し、行政から要請される感染症対策に追われながらも、自主的な研究会活動を通じて、対策を講じようとする様相もみられた。従来、学校の危機管理においては、行政や管理職のリーダーシップが比較的に強調されてきた側面があるが、本研究では教員の自主的な研究会や学外のネットワークを活用することが、危機管理に不可欠であることを問題提起した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、今般の新たな学校の危機的状況を踏まえ、学校の中で「周辺的存在」として位置づけられてきた養護教諭の専門性を再検討するとともに、調査の結果からCOVID-19という未曽有の危機的状況に対する学校の危機管理を「記録」した。養護教諭に対する役割期待は何度となく変容してきているが、直近の「学校保健安全法」の制定前後の変化を実証した研究はなく、本研究では「法の浸透過程」という教育法学の視点からその変容を実証し、今日的特色を導きだす独自性を持つ。特にCOVID-19の感染拡大前後に注目し、養護教諭の職務遂行実態の把握と専門性、そして養成プログラムまで検討する最初の研究である。
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