研究課題/領域番号 |
20K22235
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
小島 千裕 北海道大学, 教育学研究院, 専門研究員 (60882066)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 『岩手学事彙報』 / 明治末から大正期 / 地域のことば / ことばの教育 / 教育史 / ことば / 言語教授 / 小学校教員協議会 / 発音矯正 / 方言調査 / 教科指導 / 地域教育史 / ことばの認識 / 矯正方針・方策 / 「国語」形成 / 教育会雑誌 |
研究開始時の研究の概要 |
「国語」という概念のもとで政策が始動して以降、地域性の影響を強く受ける話しことばの統一が指向され、教育界では方言撲滅がなされてきたと考えられてきた。だが、明治30年代の岩手県について検討したところ、それとは異なる実態が見えてきた。これをふまえ、本研究では明治末から大正期の岩手県を対象として、地域の教育会雑誌にもとづき、教員らがそもそも地域のことばをどのように捉え、教育上扱おうとしていたのかを明らかにし、その変遷をたどる。
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研究成果の概要 |
本研究期間には、以下の2点の調査や分析を行った。 第一に、明治18年1月から大正12年2月まで刊行された教育雑誌『岩手学事彙報』につき、内容構成の特徴、編輯体制などをたどった。 第二に、明治末から大正期の『岩手学事彙報』における地域のことばに関する記述を掬い上げた。そして、教育関係者の地域のことばをめぐる議論の変遷を分析した。次第に標準語を目指すという傾向が強くなっていくが、子どものことばと向き合い、自己の考えが他者にしっかり伝わるよう導く様子も窺えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、教育関係者の地域のことばについての見解や取組みとその背景を検討した。教員らが何らかの矯正を主張し実践を行うとき、その背景にどのような事情や教育観があるのかに注目し、単純な方言撲滅とは異なる状況と変遷を示したことに学術的意義がある。 昨今、地域振興に方言が活用されたり、催しが行われたりしている。地域のことばの認識や教育方針について、その歴史的展開を具体的に明らかにすることは、社会的関心に応えることになると考えられる。
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