研究課題/領域番号 |
20K22245
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
田村 篤史 岩手県立大学, ソフトウェア情報学部, 准教授 (00882002)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 数学教育 / 非ユークリッド幾何学 / 動的幾何学ソフトウェア / 探究学習 / 主体性 / 思考実験 / ICT / GeoGebra / GRAPES / 非ユークリッド幾何 / 実験数学 / 試行錯誤 / 数学実験 |
研究開始時の研究の概要 |
高校におけるICTを活用した数学実験・実験数学の授業を通し,生徒の学びに対する姿勢の変化を観察し分析する。自分で考え自分なりに納得するという姿勢を養うための教材を開発し,どのような試みが,どのような場面で,どの程度の有効性をもつのか検証する。主体性を養う過程でどのような能力が影響しているのか等についても検討する。研究初期と末期において,筆者が以前開発した数学的能力・才能に関する質問紙を用いたアンケート調査を行い,その変化を分析し,生徒の数学的活動の遂行の成功度に係る諸資質と主体性の相関・因果等についても検討する。以上を通して生徒の主体性の涵養を目指し,新たな知見を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
動的幾何学ソフトウェアを用いた実験を通して理解を深める,射影幾何・球面幾何・タクシー幾何に関する教材を開発した。射影幾何の教材については,生徒の想像力を刺激するとともに論理性の涵養に役立つ,わが国では報告例のない新提案ができたと考えている。この提案に関しては,査読付き論文として採録された。 球面幾何とタクシー幾何の教材については,指導学生2人のそれぞれが県内進学校の高1・高2に対して授業を行い,日本教育工学会全国大会でその成果を報告した。学生らが行った授業において質問紙調査を行ったところ,ソフトウェアの有効性とともに,各教材が学力の低い層にも働きかけ,生徒の興味や主体性を引き出すとの示唆を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来から学校現場では「日本の生徒は数学の現実場面への適用力が弱い」と指摘されており,主体性の涵養や数学的に考える資質・能力の育成も課題になっていた。実際,新学習指導要領でも「生徒の主体的・対話的で深い学びの実現を図る」,「日常生活や社会の事象の数学化」等が求められている。この現状を踏まえ,新課程では「理数探究」等が設置され,上記の課題の解決が期待されている。 本研究では,射影幾何や球面幾何等のある種の現実場面を,生徒がGeoGebraを用いた実験数学によって解決する教材を開発した。現実場面の課題を解決する授業への変換を見据え,新課程・理数探究に対応した1つの問題提起ができたと考えている。
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