研究課題/領域番号 |
20K22248
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 共立女子大学 |
研究代表者 |
岡部 正義 共立女子大学, 国際学部, 准教授 (20761737)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 男子の教育不振 / 農村貧困 / フィリピン / 母親の就労 / 子どもの時間利用 / 男女差 / 同時方程式モデル / 操作変数法 / 家族動学 / 教育投資 / 労働市場 / 家計内意思決定 / 家計内資源配分 / 貧困 / 母親の役割 / 開発経済 / 教育開発 / ジェンダー |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,フィリピンの教育に見られる男子の教育不振という一見逆向きのジェンダー格差パターンを集団間異質性の問題として着目し,このような格差を緩和するための教育開発政策への政策的含意を検討することである。これは,ある集団間(例えば性別集団)で同一の説明変数に関する異なる反応という異質性がある状況に,実証的に着目するものであり,国際社会が従前から取り組む女子教育振興の意義をいささかも否定するものでなく,また男子の権利主張だけを単に表層的に論じるものでもない。本研究は男子の教育不振が特に顕著な国としてフィリピン農村部を事例地域に位置付け,基礎教育に着目し,特にステレオタイプに着目し,考察を深める。
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研究実績の概要 |
コロナ禍による海外調査の制約を受け、当初計画を大幅に修正し、制約下でも実行可能な研究作業を推移させてきた。その結果、主に以下のような知見に到達する実証分析を進めてきている。それは、男子の教育不振を農村貧困下の母親の就労と関連させた時間利用分析である。これは、母親の就労が自らの人的資本を活用させた「自発的」なものというより、農村貧困によって「動員させられた」ものであるという側面と関連するというものである。これにより、母親自発性の高くない形で就労していると解釈される。そして定量分析を進める中で、このような母親の就労がその子どもたちの時間利用に影響を与えることが計量分析で判明した。さらに、男子の教育不振が教員が採点する試験においてのみ顕著に観察されるのに対し、機械採点を採用する国家学力試験の点数においては観察されないという事実に着目した研究も進めてきた。これらの研究成果は、関連する分野の査読付き国際誌にそれぞれ投稿し、研究成果を公開することができるよう、投稿・修正作業を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍による海外調査の制約を受け、当初計画を大幅に修正し、実行可能な範囲内に研究作業を軌道修正させる必要が恒常的に生じているため。
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今後の研究の推進方策 |
研究成果を関連分野における査読付き国際誌に投稿し、研究成果を公開することができるよう、投稿・修正作業を進めていく。
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