研究課題/領域番号 |
20K22251
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
長谷川 鷹士 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, その他(招聘研究員) (30878418)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 教師教育 / 教員養成 / 生徒文化 / 師範学校 / 学校文化 / 教師教育論 / 教育への使命感 / 教養主義 / 日本教育史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では戦前の初等教員養成の中核を担った師範学校で、どのような教育が実際になされ、生徒たちがどのような学習をし、結果としてどのような資質能力の教員が生み出されたのかの一端を明らかにする。 従来、師範学校については「師範型」などの批判言説に基づいて研究が進められてきた。本研究ではそうした研究成果を踏まえつつ、実際の教科書や校友会雑誌などの資料を分析し、従来充分に研究が深められてこなかった師範学校教育の「実態」とその「教育効果」の一端を究明する。そのことによって今日、教員養成教育を考察する上での、一つの歴史的資料が提供できると考えられる。
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研究成果の概要 |
師範学校での教員養成がどのような「教育効果」を有したのかについては論者によって肯定的な評価、否定的な評価に分かれている。本研究では師範学校がどのような「教育効果」を有したのか、できうる限り実証的に検証することを試みた。教育への高い使命感を養えたとされるが、たしかに高い使命感が養われたと言えるが、教師役割への批判を欠くなど欠点を有するものでもあることを明らかにした。また各科教授法の教育についても、従来評価されるほど、効果的なものではなかった可能性が高いことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
戦後の教員養成制度は師範学校の教員養成への批判の上に形成されている。基本的には今日の教員養成制度は戦前の師範学校での教員養成よりも優れたものと評価される。しかし、教育への使命感形成や教育技術の形成などの点については戦前の師範学校の方が優れていたのではないかという疑義も提起されている。そして、こうした疑義に基づいて、教員養成改革が進展しているという側面もある。 本研究はこうした状況を踏まえながら、師範学校の教員養成の実態の一端を明らかにした。本研究が提起した事実は師範学校との対比で今日の教員養成を考察する場合に、欠くことのできない歴史的知見を提供したと言えるであろう。
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