研究課題/領域番号 |
20K22261
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪芸術大学短期大学部 |
研究代表者 |
高橋 純 大阪芸術大学短期大学部, その他部局, 講師 (50883055)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 歌声 / オペラ歌唱 / MRI / 音声分析 / 声道 / リアルタイムMRI / 歌い手のフォルマント / 歌唱 / メタ認知 / 歌唱フォルマント / rtMRI |
研究開始時の研究の概要 |
「歌唱」は、音の発生に必要な動作を外部から観察できないため、指導内容を伝えることが難しい。そのため指導者や学習者は、メタ認知的言語を頼りに演奏技能の習得を目指さなければならない。しかし、このような歌手の身体や声に対する感覚と、実際の歌声の音響的特徴、そして発声器官の生理的特徴との関係は明らかになっていない。 本研究では、歌手が身体や声に対してどのような感覚で歌唱を行なっているのか、また、それが実際の歌声の音響的特徴や発声器官の生理的特徴とどのように関係しているのかを、歌手のメタ認知的言語と、歌声の音声分析、そしてリアルタイムMRI動画による発声器官の観察により明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、メタ認知的に言語化された歌声に対するイメージや感覚が、歌声の音響的特徴や発声器官の生理的特徴と、どのように関係しているのかを検討した。 まず、アンケート調査を行い、歌い手は身体の動きや歌声に対する感覚を実際の動作を結びつけて、メタ認知的な言葉に変換していることが明らかになった。次に、rtMRIを用いて声量の変化と横隔膜の制御について調査し、プロの歌手は声量を減少させる際に、横隔膜の上昇度合いを徐々に抑制させていることが明らかになった。さらに、声の明るさを歌い分ける際には、口唇の開閉や、喉頭の上下動と咽頭の伸長・拡大によって変化させていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、歌唱における歌手のメタ認知的言語と、歌声の音声分析、そしてリアルタイムMRI動画による発声器官の観察をあわせて検討した。メタ認知は認知科学の研究分野において、教育の学習プロセスやスポーツのスキル獲得などで注目されてきた。歌唱指導においてもメタ認知的言語は必要不可欠であり、歌手の意識下で制御されている歌声の音響的特徴と、発声器官の生理的特徴をあわせて行う研究は少ない。歌唱における声量や声の明るさの制御に関する見地は、歌唱指導における新たな指導法や学習プロセスの構築につながると期待できる。
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