研究課題/領域番号 |
20K22272
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
加藤 篤士 早稲田大学, 文学学術院, その他(招聘研究員) (90879404)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | アルコール使用障害 / 遅延報酬 / EMA / カウンセリング / 神経発達障害群 / アルコール依存症 / NET / 渇望 / 心理社会的要因 / 心理療法 / 矯正教育 / アルコール関連問題 / 神経心理学 / 認知特性 |
研究開始時の研究の概要 |
アルコール関連問題の治療における、患者の行動変容を目指した認知行動療法(CBT)においては、本人が行う日々の記録や振り返りに頼るところが大きい。しかし、本人が気付かない事柄については対象にすることが出来ないため、EMA(ecological momentary assessment)を用いた客観的測定を加えることが有効だと考えられる。本研究では、EMAにおいて測定すべき特性の選別を目的とする。
|
研究実績の概要 |
1.アルコール使用障害(以下AUDとする)の入院生活を終わり、社会の中で社会生活を営む対象者20名に対して記録機能付きの時計を装着させ、生活習慣の記録を実施した。記録内容は日中心拍数の変化・安静時心拍数・毎日の消費カロリー・ウォーキングまたはランニングの時間・毎日の歩数・歩行速度・呼吸数の推移・血中酸素濃度であった。以上の記録と生活状況に対するインタビュー調査を継続した。その結果、再飲酒せずに生活している者は、日々の生活の生活の中で活動している時間が有意に長いとともに、一定の時間に規則正しく行動している様子が示唆された。 2.一方で、インタビューから得られていた「再飲酒を促すような強い渇望」を感じてしまう瞬間と、記録された生体情報に残されたデータとの間に関連する変化は見出せなかった。このことから「渇望」が身体症状を伴うような激しいものではない可能性が予測され、入院前後と含めてさまざまな時期の患者からデータ取得する必要性が生じた。 3.ギャンブル課題及び発汗状況をPCを使用して測定し、一定の遅延割引傾向がみられるかどうか検証する準備を行っているが、新型コロナウイルスの感染拡大により、長年の飲酒に伴い内臓に基礎疾患を多く持つ対象者との対面による調査は実現しなかった。そのため、研究機関を更に1年先延ばしすることとし、必要な申請を行っている。 4.昨年の課題として残された質問紙によるギャンブル課題における、統制した実験室的環境下における課題実施については、新型コロナウイルスの感染拡大により、長年の飲酒に伴い内臓に基礎疾患を多く持つ対象者との対面による調査は実現しなかったため、翌年度に延期することとした。 5.対象者に対するインタビューは、ZOOMを用いてこの間も継続して実施した。対象者のうち再発したものは無く、インタビューの継続による心理教育的効果を示している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの感染拡大により、長年の飲酒に伴い内臓に基礎疾患を多く持つ対象者との対面による調査が行えていない。
|
今後の研究の推進方策 |
2023年5月以降、新型コロナウイルス感染症に対する種々の制限が解除になるため、安全な対面調査を提案し対象者の協力が得られるように依頼していきたい。
|