研究課題/領域番号 |
20K22274
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
井関 紗代 中京大学, 経営学部, 講師 (60879922)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | psychological ownership / really new service / fluency / deseire for control / 心理的所有感 / 新商品 / コントロール欲求 / 補償的コントロール理論 / 処理の流暢性 / 心理的所有感尺度 / 信頼性 / 妥当性 / コントロール感 / 所有感 / 心的シミュレーション / 身体化認知 / 日本語版心理的所有感尺度 |
研究開始時の研究の概要 |
企業は新商品の開発に莫大なコストをかけるが,発売された新商品のうち40%~90%は市場から姿を消すと言われる。特に,類似した商品がなく,技術革新などによって生まれたまったくの新商品(really new product; RNP)は過少評価され,受け入れられにくい。その要因として,エピソード記憶や意味記憶が乏しいため,実際に使用するところを心的にシミュレーションすることが難しい点が挙げられる。本研究では,自己に強く関連した心的シミュレーションはRNPに対する所有感の生起を導き,RNPの受容を促すことを想定し,そのプロセスを検証する。
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研究成果の概要 |
これまでに類似したサービスがなく,技術革新などによって生まれたまったくの新サービス(really new service; RNS)は過少評価され,受け入れられにくい。本研究では,まず,RNSに対する心理的所有感(psychological ownership)を正確に捉えるために,日本語版心理的所有感尺度を開発した(研究1)。加えて,RNSの利用を心的にシミュレーションする際に,与えられたRNSに関する情報の処理流暢性が及ぼす影響を検討した(研究2)。さらには,音楽ストリーミングサービスに対する心理的所有感やロイヤルティに,コントロール欲求の個人差が影響することも明らかになった(研究3)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新サービス(RNS)は過少評価され,受け入れられにくい。その要因として,そもそもサービスは無形性,変動性,消滅性,不可分性と言った特徴を有し,知覚リスクが高いことに加え,RNSの場合,エピソード記憶や意味記憶を十分に有していないことから不確実性が知覚され,コントロール感が得られにくいためであることが示唆されるが,実証研究は未だ十分とは言えない。本研究は,RNSに対する心理的所有感の生起がサービスへの態度をポジティブに変容させることを明らかにし,RNSの受容プロセスの解明に貢献するだけでなく,マーケティングなどの実務的示唆に富む知見の提供ができると考えられる。
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