研究課題/領域番号 |
20K22290
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
下司 忠大 早稲田大学, 文学学術院, 助教 (60875219)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | ダークパーソナリティ / 測定不変性 / 尺度作成 / 信頼性 / 妥当性 / パーソナリティ特性 / 問題行動 / Dark Triad / Dark Tetrad / 文化差 / 尺度開発 / 多母集団同時分析 / 日米比較 / 構造方程式モデリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では冷淡で自己中心的なパーソナリティ特性の総称であるダークパーソナリティ特性について,その文化的等価性を検討するものである。研究1では,ダークパーソナリティ特性の国際標準的な尺度であるShort Dark Tetrad (SD4) を邦訳し,その信頼性・妥当性を検討するとともに,日米間を比較してその測定不変性を検討する。研究2では,邦訳版SD4の測定不変性を考慮した上でSD4得点の差の比較検討を行い,差があるとすれば,その差が何によって生じているのかを各文化的指標を用いて検討する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的はダークパーソナリティ特性(マキャベリアニズム,自己愛傾向,サイコパシー傾向,サディズム)の文化的等価性を検討することであった。具体的には,Dark Tetradを測定する上で海外で代表的に用いられているShort Dark Triad (SD4)の日本語版を作成し,その信頼性と妥当性を検討するとともに,原版の尺度と同等の構成概念を測定しているかどうか (測定不変性) を検討した。その結果,原版の尺度と同等の信頼性および妥当性を確認することができ,原版の尺度との測定不変性も確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ダークパーソナリティ特性は,非生産的職務行動,セクシャル・ハラスメント,いじめ・攻撃行動などの多様な問題行動に関わる特性であり,このような問題行動の予防・介入時に考慮に入れられるべき重要な特性であると考えられる。 しかし,これらの知見はほとんどが欧米圏の研究であり,東アジア圏の研究知見は乏しい。欧米圏と東アジア圏との間では自己観が異なることや,東アジア圏の方がダークパーソナリティ特性の得点が低いことから,この特性の文化的等価性が問題として残されている。本研究によってその文化的等価性を示したことは,我が国の問題行動への予防・介入に向けて海外の研究知見の応用可能性を示唆するものである。
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