研究課題/領域番号 |
20K22294
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 仁愛大学 |
研究代表者 |
山岸 厚仁 仁愛大学, 人間学部, 助教 (10881790)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 共感性 / 発達障害 / 動物モデル / 援助行動 / Tsukuba情動系ラット / 多動・行動障害 / ラット / オキシトシン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,行動障害に伴う共感能力の失調メカニズムを明らかにするため,多動・行動障害の動物モデルの一つであるTsukuba情動系ラットを対象に,ストレスに晒された他個体を観察しているときの観察個体の共感的反応および向社会的行動の行動学的・神経科学的特徴について検討を行う.また,神経伝達物質の一つであるオキシトシンが社会行動の調整に関わることに着目し,その投与および阻害がTsukuba情動系ラットにもたらす影響について検討することで,行動障害における共感能力にオキシトシンが及ぼす影響について明らかにする.
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研究成果の概要 |
本研究では,Tsukuba情動系ラットの低情動系 (L系) および高情動系 (H系) を対象に,ストレス状況下にある他個体を解放する援助行動について検討した.他個体が水を張ったプール内に閉じ込められた状況にて,L系とH系および比較対象となるWistarラット (W系) の援助行動について検討した.その結果,H系は援助行動を獲得せず,L系はW系との間で活動量に差が無いにも関わらず援助行動の獲得が遅延した.また,迷路内で拘束された他個体を解放する実験状況ではL系がW系より早く援助行動を獲得することが示された.これらの結果は,Tsukuba情動系ラットが共感性の失調を呈する可能性を示している.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多動・行動障害に伴う共感性の失調メカニズムの解明を目指し,Tsukuba情動系ラットのL系とH系の援助行動について検討した.その結果,L系にて水に晒された他個体に対する援助行動の獲得が遅延することが明らかになった.ヒトでは発達障害に共感性の失調を呈する場合があることが知られているが,その神経メカニズムについては十分な検討が行われていない.今回得られた知見から,Tsukuba情動系ラットの援助行動が発達障害に伴う共感性失調のしくみを解明する上で重要な行動モデルになる可能性を示唆している.今後,この神経・分子基盤の詳細についてさらなる検討が求められる.
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