研究課題/領域番号 |
20K22311
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0201:代数学、幾何学、解析学、応用数学およびその関連分野
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
渡邊 圭市 早稲田大学, 理工学術院, 講師(任期付) (30875365)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ナビエ・ストークス方程式 / 自由境界問題 / 最大正則性 / 関数方程式論 / 接触角 |
研究開始時の研究の概要 |
水などの非圧縮性粘性流体の運動を記述するナビエ・ストークス方程式の自由境界問題は,流体の速度場や圧力だけでなく領域の境界も未知となる問題である.本研究では,有界領域において接触角を生成するナビエ・ストークス方程式の自由境界問題を定式化し,時間大域適切性および解の長時間挙動について考察する.この問題は剛体の中に含まれる空洞が水によって部分的に占められている場合の,水の運動を記述する数理モデルである.この数理モデルの解析は流体工学の観点から重要である.
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研究成果の概要 |
接触角を90度に固定し,接触角を生成するナビエ・ストークス方程式の自由境界問題を考察した.ただし,流体の占める領域は,3次元有界領域であるとし,領域の境界には自由境界条件及び滑り境界条件を課した.本研究では,与えられた時刻に対して,方程式系の時間局所適切性を時間 Lp 空間 Lq 枠で明らかにした. 関連する研究として,流体の占める領域が境界の滑らかな有界領域である場合のナビエ・ストークス方程式の自由境界問題について扱った.軸対称な定常解の安定性は,定常状態における自由境界を決定するオイラー・ラグランジュ方程式に付随するエネルギー汎関数の二次変分の正値性によって特徴づけられることがわかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
接触角を伴う Navier-Stokes 方程式の自由境界問題の適切性に関する本研究の結果は,Wilke (2013) で考えられていた境界条件の一部を修正し,より一般の関数空間で方程式系の適切性を示したものである. 一方,表面張力を伴う Navier-Stokes 方程式の自由境界問題の(軸対称な)非自明な定常解の安定性についての特徴づけの結果は,1800年代の Plateau の古典的結果を正当化する大変興味深いものである.
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