研究課題/領域番号 |
20K22321
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
北村 優弥 秋田大学, 理工学研究科, 博士研究員 (70885243)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スコロダイト / 砒素貯蔵材料 / 非鉄製錬 / 超音波 / 結晶成長促進 |
研究開始時の研究の概要 |
スコロダイトは、銅製錬過程から排出される副産物の砒素を結晶構造中に安定に貯蔵する材料として期待されている。スコロダイトを合成するには合成初期に生成する二価鉄と五価砒素を含む前駆体を高温の酸性溶液中で長時間酸化する必要がある。また通常、スコロダイト粒子の形状は多面形であるが、近年、紡錘形の粒子が報告されている。そこで、超音波照射によって生成する酸化ラジカルを用いて低温短時間にて紡錘形粒子の合成を行うとともに、得られた紡錘形粒子の砒素貯蔵特性を明らかにする。さらに、前駆体からスコロダイトへの結晶成長過程を詳細に観察することで、前駆体の形状と生成するスコロダイト粒子の関係を明らかにする。
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研究成果の概要 |
通常の多面形とは異なる紡錘形スコロダイト粒子の生成機構を明らかにすることを目的とした。二価の鉄イオンと五価の砒酸イオンを含むpH1.0の酸性溶液(70℃)に対して酸素流入と200kHzの超音波を3時間照射することで、高結晶化度(>99%)の紡錘形スコロダイトを合成した。酸素流入のみの場合では低結晶化度(81%)の紡錘形粒子であった。合成初期の前駆体は繊維状であり、その前駆体中のFe(II)の酸化によって結晶核が形成し、それを起点にした結晶成長により紡錘形粒子が生成することがわかった。砒素溶出試験では、超音波照射により合成した紡錘形スコロダイトは、照射しない場合よりも溶出量が少ない結果となった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
銅製錬過程において副産物として高濃度で排出される砒素を、スコロダイトを合成することで結晶構造中に安定に固定化する方法が研究されている。通常、スコロダイト粒子の形状は多面形であるが、強酸性溶液下では、紡錘形となる。粒子形状は、比表面積に影響する因子であるため、砒素を安定に貯蔵する上で重要となる。紡錘形粒子の合成に高温長時間の酸化反応が必要であるため、本研究では、低温短時間にて結晶性が高い紡錘形粒子を得るために超音波を使用し、反応初期に生成する前駆体の形状を調べることで紡錘形スコロダイトの生成機構を明らかにした。また、その紡錘形のスコロダイト粒子の砒素貯蔵特性も評価した。
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