研究課題/領域番号 |
20K22323
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
高 燕林 筑波大学, 数理物質系, 助教 (50847051)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ナノ炭素物質 / 電界効果 / ダイナミクス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、高効率な電界電子放出源の候補であるグラフェンやカーボンナノチューブ(CNT)等のナノ炭素物質に注目し、量子論に立脚した計算物質科学の手法を用いて、電界放出時に発生する、種々のナノ炭素物質やそれらと異種物質からなる複合系の構造ダイナミクスの理論解明を行う。特に、ナノ炭素物質の表面や端での原子/分子吸着やネットワーク端の重合反応の素過程、また、それによって誘起される物性変調を明らかにし、強電界下における反応過程に対する物理的知見を与える。さらに、安定で高い放出電流効率を有するナノ炭素物質の構造候補と電界電子放出デバイスの機能制御方法の理論的提案を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、高効率な電界電子放出源の候補であるグラフェンやカーボンナノチューブ等のナノ炭素物質に注目し、量子論に立脚した計算物質科学の手法を用いて、電界放出時に発生する、種々のナノ炭素物質やそれらと異種物質からなる複合系の構造ダイナミクスの理論解明を行った。その結果、アームチェア端が高い電流密度を与えることとOHやNHの吸着による電界放出電流密度の増加を予言した。また、二層グラフェンの電界効果キャリア蓄積現象の解析、五員環と六員環からなる二次元新奇炭素ネットワークの物質設計、正電界下でのグラフェンの端周辺のNe原子のダイナミクス、やダイヤモンドナノワイヤの構造と電子特性の解明も行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、計算物質科学の手法を用いで、電界下でナノ構造物質並びに、その端近傍における原子ダイナミクスの解明を行った点にある。すなわち、強電場が印加されたグラフェン等のナノ構造物質において、その形状や電場に対する配向がダイナミクスと電子物性決定を決定する極めて重要な要素であることを明らかにした。この結果をもとに、今後の高効率な電界放出デバイスの設計指針の提示を行った点が社会的な意義となる。
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