研究課題/領域番号 |
20K22327
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山田 貴大 東京工業大学, 理学院, 助教 (40874722)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スピン波 / スピン流-電流変換 / フェムト秒レーザー / 磁気光学効果 / スピン流電流変換 |
研究開始時の研究の概要 |
スピンの集団的歳差運動はスピン波として磁性体中を伝わり、スピンポンピングを通じてスピン流を隣接金属層に生み出す。スピン波の誘起には電流パルスを用いる方法が一般的であるが、光パルスもスピン波の誘起に利用できる。しかし、光パルスで誘起したスピン波が生むスピン流を電気的に検出する手法自体が確立されていない。そこで、まず、磁性ガーネットを舞台に、その手法を確立する。その後、光パルスの強みを生かして、スピン流-電流変換現象の制御を目指す。
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研究成果の概要 |
超短パルス光の高速性や偏光、波長等を活かせば、スピン流-電流変換の制御法やスピン流の新規生成法に新たな展開が期待できる。本研究では、フェムト秒光パルスの希土類鉄ガーネット膜(GdYb-BIG)への照射によりコヒーレントなスピン波を誘起し、光誘起スピン波から生じるスピン流を電流に変換して測定することに成功した。得られた電流値はスピン波からのスピンポンピング単体では説明できないほど大きく、Ptの光吸収により生じるPt/GdYb-BIG界面の大きな熱勾配がスピン流生成を促進している可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
フェムト秒光パルスを利用したスピン流-電流変換現象はサブピコ秒の時間スケールで報告があるが、フェムト秒光パルスを用いてもスピン流をナノ秒オーダーの実電流として取り出せることは、本研究が初めて実証した。得られた大きな電流はフェムト秒光パルスだからこそ励起可能なコヒーレントなスピン波および界面の熱勾配の協奏現象の存在を示唆し、本成果が光-スピン流変換の新展開へと繋がり得る。また、外部・内部電界の補助なしで光から電流が取り出せることは、光発電等への応用を考えれば重要なことである。
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