研究課題/領域番号 |
20K22329
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松井 隆太郎 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (70870476)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 高強度レーザー / プラズマ / イオン加速 / 無衝突衝撃波 / 粒子線がん治療 / 高エネルギー密度プラズマ / 粒子シミュレーション / ターゲット作製 / レーザー照射実験 |
研究開始時の研究の概要 |
近年視野に入りつつある集光強度が10^21-22 W/cm^2 領域の高強度レーザーを物質に照射することで、癌治療などの医療応用に資する200 MeV/uを上回る高エネルギーで高品質のイオン加速を目指した研究が精力的に行われている。 本提案は、現状のレーザー技術においても、サブマイクロメートルオーダの微細構造を有する固体物質とフラーレン・炭素ナノチューブ等の希薄物質からなるターゲットを使用すれば、準1次元的な高エネルギーイオン加速が可能であるとの着想に基づき、この新粒子加速概念を実証するシミュレーションと理論モデルの構築、および、レーザー実験を想定したターゲットを作製することを目的とする。
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研究成果の概要 |
集光強度が10の20-22乗 W/cm^2領域の極短パルス(フェムト秒)高強度レーザーを固体水素に照射する粒子シミュレーションを実施した。その結果、レーザーのパルス幅と集光強度を調整することで、固体水素の表面近傍に生成した衝撃波は、固体水素内部に伝播する過程で初期の固体水素密度の20倍近くにまで増幅される。この増幅された衝撃波は、自身が作り出す200TV/mに達する超強電場により相対論的速度でロケット様に分裂し、前方に押し出された成分が上流のプロトンをサブGeV領域にまで加速することを見いだした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
レーザープラズマイオン加速手法でイオンを100 MeV/u超領域にまで加速させる試みは、国内外で精力的に行われている一方、100 MeV/uのイオンは国内では現状未達成であり、世界的に見ても一部で150 MeVを出した報告があるものの、ほとんど達成例はない。 本研究により見いだした、円柱状ターゲットを用いた新アプローチで200 MeV超の準単色陽子線の生成機構が実験により実証できれば、粒子線がん治療装置の小型化を目指した応用研究が大きく進展する可能性があるばかりでなく、高エネルギー宇宙線の生成起源の解明に代表される未踏の極限領域の開拓に繋がることが期待される。
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