研究課題/領域番号 |
20K22337
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
本多 真紀 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 安全研究・防災支援部門 安全研究センター, 博士研究員 (80881432)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 環境放射能 / I-129 / スペシエーション / 紫外線分解 / 加速器質量分析 / 溶存有機物 / 水試料 / ヨウ素129 / 地表環境 / 化学形態 / HPLC / AMS |
研究開始時の研究の概要 |
核燃料サイクルの活動に伴いI-129は環境中に蓄積し続けるため、I-129の移行挙動に関する長期的な研究が必要である。国内で行われてきた基礎研究によって、I-129による環境、食品汚染に関するデータが集積されてきた。この基礎研究を更に発展させるために、国内では実績が少ないI-129の化学形態ごとの移行挙動に着目した研究に取り組む。I-129の人体への影響を評価するためには、実際の環境試料を分析してI-129の化学形態のデータを取得し、地表環境条件の違いによる存在形態の特徴を明らかにする必要がある。I-129濃度が低い国内の環境試料を分析可能にする新規ターゲットを用いた加速器質量分析を実施する。
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研究成果の概要 |
地下水中のI-129の移行挙動を支配する主要な物理化学的形態を特定する為に、紫外線照射(有機物を分解)と逐次濾過(溶存態I-129と懸濁態I-129に分離)を組み合わせた独自のスキームをつくり、この分析法を地下水試料に適用した。その結果、全I-129 (懸濁態+溶存態)、懸濁態I-129(0.45μmを超える)、溶存態I-129(0.45μm未満で10 kDaを超える浮遊物とイオン)の評価に成功した。地表からの深さが250m地点の地下水では、懸濁態I-129量(原子数)よりも溶存態I-129量の方が少なかったことからI-129は粒子径の大きな浮遊物と共に地下深部を流れていることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では従来は困難であった環境試料で、I-129スペシエーションの分析に成功した。地下水試料だけでなく、本分析手法を河川水等の水試料に適用することで、水圏におけるI-129の移行挙動を支配する主要な物理化学的形態を特定できる可能性がある。従って本研究成果は、原子力施設から継続的に環境に放出されているI-129の複雑な生物地球化学的循環システムにおける移行挙動の解明に資するものである。
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