研究課題/領域番号 |
20K22346
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
廣瀬 茂輝 筑波大学, 数理物質系, 助教 (40875473)
|
研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 素粒子実験 / シリコン検出器 / LHC / タウレプトン / ヒッグス粒子 / ヒッグスの物理 |
研究開始時の研究の概要 |
ATLAS実験では、2010年の実験開始以後順調にデータを蓄積し続け、いよいよヒッグス粒子の"精密測定"を通した電弱対称性の破れの詳細な解明が可能になりつつある。今後、ビーム強度を増強した高輝度LHCにおいてデータ収集速度を加速させていくが、この実験の能力を最大限引き出すには、高輝度かつ高放射線下でも安定して運転可能な高性能検出器と、データ再構成手法の確立が必須である。本研究では、高輝度LHC-ATLAS実験におけるヒッグス粒子精密測定の鍵となる、シリコン飛跡検出器の製作と、それを利用したヒッグス粒子のタウレプトン対への崩壊の構成度測定を見据えた高効率なタウレプトン同定手法の開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
LHC ATLAS実験は順調にデータを蓄積し、その大統計なデータから、ヒッグス粒子の性質を詳細に解明できるフェーズに入りつつある。本研究では、高輝度LHCにおけるヒッグス粒子研究に不可欠なシリコンストリップ検出器用センサー量産時の特性監視に必要なシステムを構築、2021年から始まった量産期間中も安定して測定を継続し、センサーの良好な性能を確認した。さらに、ATLAS Run 2期間に収集したデータを用いてH-tau結合を7.5%の精度で測定、その結果から、高輝度LHCにおいてシリコン検出器性能を最大限に活用し、タウレプトン再構成性能を向上させることが、さらなる精度向上の鍵となることを示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高輝度LHCにおける新型シリコンストリップ検出器の安定稼働は、そこでの大統計を最大限に利用したヒッグス粒子研究に不可欠である。本研究において、量産期間中に一様で安定したストリップセンサーの特性を確認できたことは、確実に安定運用可能なシリコン検出器システムを構築する上で重要となる。また、ここで得られたデータは大量のシリコンセンサーの特性を長期にわたって系統的に測定したものであり、高輝度LHCに限らず、大型シリコン検出を用いたプロジェクトに広く有用である。それに加え、本研究ではH-tau結合を高精度で測定、高輝度LHCにおけるO(1%)の測定に道筋をつけた。
|