研究課題/領域番号 |
20K22354
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 (2021) 国立研究開発法人理化学研究所 (2020) |
研究代表者 |
和田 有希 大阪大学, 工学研究科, 助教 (40879144)
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研究期間 (年度) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 地球ガンマ線フラッシュ / 雷放電 / 電場加速 / 雷雲 / 高エネルギー大気現象 / 放射線 / 長波帯 / 放射線計測 / 電波計測 / 線量計 / ガンマ線 / 電子加速 |
研究開始時の研究の概要 |
雷放電ではその強電場領域において電子がメガ電子ボルトのエネルギーまで加速・増幅され、その制動放射線が地球ガンマ線フラッシュ (TGF) として、宇宙あるいは地上で観測されている。しかし、濃密な大気中でどのように電子が獲得され、さらに宇宙でも観測可能なほどの電子数まで増幅されるのか、わかっていない。そこで本研究ではTGFが地上で観測されている北陸地方の冬季雷に着目し、新規に開発する小型の線量計を複数台のアレイとして設置し、TGFによる地上での線量分布を測定する。この測定結果と放射線輸送シミュレーションとの比較から、雷放電における電子の加速・増幅メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
雷放電はときに高エネルギー現象を引き起こすことが知られている。地球ガンマ線フラッシュ (TGF) は雷放電と同期した数百マイクロ秒の瞬間的なガンマ線放射であり、電子が相対論的なエネルギーまで加速・増幅される現象である。しかし濃密な大気中で電子を加速増幅するメカニズムは未だ明らかになっていない。本課題では北陸地方の冬季雷をターゲットに、TGFを地上観測する小型な検出器を開発し、実際にTGFを観測することに成功した。またこれまでのTGFの観測と広帯域長波帯電波の観測を比較することで、どのような雷放電でTGFが発生しているか、その種別の分類が可能となり、電子の加速・増幅メカニズムに対する示唆を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
TGFは雷放電の初期で発生しており、発生や進展のメカニズムが未だよく理解されていない雷放電に対し、TGFがどのような影響を与えるか、といった点も今後の研究として期待される。またTGFでは大量のガンマ線が発生することから、特に航空機で飛行中に直撃した場合に乗客・乗員の被ばく量が懸念される。現在ではどのような雷でTGFが起きているか解明されていないものの、本研究でその手がかりが得られており、将来的な被ばく量推定に役立つと考えられる。
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